許 光秀 (I) 白 成宇 (I) 川中 彰(I) 高木 幹雄 (II)

上智大学理工学部 (I)
東京大学生産技術研究所 (II)

地中探査レーダから得られる地中レーダ画像の鮮明度を改善し、 その画像から埋設物の有無や位置などを正確に検出する方法が開発されている。 筆者らは、これまで、反射法地震探査に用いられているマイグレーション法を 地中レーダ画像に応用し、地中レーダ画像を鮮鋭化する手法を提案し、 いくつかの比誘電率による処理画像を比較することにより、 比誘電率を正確に推定する手法を提案した。 また、局所的な土壌の比誘電率を考慮しながら全体の画像を形成する、 ブロック化マイグレーション法も提案した。 今回、ブロック化マイグレーション処理において、 フーリエ変換ではなく画像を重なり合ったブロックに分割し変換する ＬＯＴ（Ｌａｐｐｅｄ Ｏｒｔｈｏｇｏｎａｌ Ｔｒａｎｓｆｏｒｍ）を 応用したブロック分割処理を行うことにより、 ブロック化による影響の抑制と計算量の改善を試みた。 実測した地中レーダ画像に、ＬＯＴを用いたブロック化マイグレーション法を 適用した結果、ブロック化の影響を抑制し、ブロック毎の比誘電率を考慮した 地中レーダ画像の鮮鋭化が可能なことを確認した。

It has been developed the techniques which have been imaging optically opaque region using an electromagnetic wave radar in order to estimate the location of the objects in those region. In case of underground radar, its image quality often becomes low because the nature of soil is not uniform and an electromagnetic wave is attenuated in soil. Hence, the method which improves the quality of the radar images is required. In this paper, we propose a method applying the migration method using LOT (Lapped Orthogonal Transform), which is a new block transform method for data coding. The result of applying the proposed method to the underground radar images is presented. It points out the good capability for the image quality improvement taking account of the dielectric constant of each block and the application of LOT can improve the processing time.