過去の研究

1991年度 修士論文 　許 光 秀
ブロック化マイグレーション法による 地中レーダ画像の鮮鋭化

　地表面から電波を用いて、埋設管の位置などを非破壊的に計測する方法が開発されている。 しかし、このとき得られるレーダ画像は、反射点の広がりや多重反射などの雑音を含んでいるため、埋設物の位置を特定するためには高度な熟練が必要であり、分解能や精度を改善することが要望されている。これまでに、衛星レーダなどの空中用として開発された、合成開口法を適用した方法など、数多くの方法が提案されてきたが、地中レーダ画像の解析において重要なパラメ−タとなる、土中の比誘電率の推定において観測者による認識を必要としてきた。今回、マイグレーション法を応用することにより、地中レーダ画像を鮮鋭化できることを確認し、その処理結果を用いて比誘電率を推定する方法を提案している。また、画像をブロック分割し処理するブロック化マイグレーション処理を適用した結果、各ブロック毎の比誘電率を正確に推定でき、画像の鮮鋭化が可能なことを示している。さらに、ＬＯＴ(Lapped Orthogonal Transform)をマイグレーション法に応用することにより、ブロック化による影響を抑制し、処理時間を改善することができた。