過去の研究

1991-1994

1993年度 卒業論文 新川 太郎
一般化Hough変換処理を用いた土中の比誘電率の推定

 本論文では、地中探査レーダで地中の埋設管を観測した際に得られる画像から、地下埋設管に特有な形状の成分をもとに、一般化 Hough 変換を用いて土中の比誘電率を決定する画像処理の手法を説明する。まず、一般化 Hough 変換はその処理に多大な計算量を要する。そこで、地中探査レーダ画像中で埋設管像による濃淡変化の情報を用いて、もともと三次元パラメータ空間への変換となるところを、二次元パラメータ空間への変換へと次数を落として、計算量の削減による処理の高速化を行った。また、一般に土中の比誘電率は深度ごとに分布するので、レーダ画像を時間軸方向へ、互いに重なりあう部分を含む10の領域に分割し、その10の領域ごとに代表する埋設管反射像を選び、その像から比誘電率を求め、その領域つまりその深度の比誘電率とした。地中探査レーダ画像は、その画像形成において解明されていない点が多くあり、装置に依存する本質的な画質の改善には、まだ多くの研究が必要とされる。本論文での実験では、埋設管位置に関しては昨年度までの研究の、レーダ画像全域に対する Hough 変換処理よりも正確に位置を特定できている。このことから、分割した領域ごとの比誘電率の推定はある程度正確に出来たと言える。この、y 方向へ分割した領域に対しての一般化 Hough 変換の適用は、地下埋設管の位置特定のために必要な、土中の比誘電率の決定に有効な方法であると思われる。

 
     
 
     

 

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