過去の研究

1991-1994

1994年度 博士論文  許 光 秀
地中探査レーダ画像からの埋設物 自動検出に関する研究

 本論文は、筆者が行なってきた、地中探査レーダを用いて得られる画像から、埋設物の有無や位置を自動的に検出する方法に関する研究をまとめたものであり、全文は次の5章から構成される。 第1章は序論であり、本研究の背景と目的について概説するとともに従来の諸研究の問題点を明らかにし、これらを解決するための基本的な方針を示している。 第2章では、地中探査レーダ画像の高分解能化処理について述べており、反射法地震探査で用いられているPhase-Shift法、F-Kマイグレーション法について説明し、伝搬速度の変化を考慮したマイグレーション処理を高速に行なう、LOT(Lapped Orthogonal Transform)を用いたブロック化マイグレーション法、深度方向分割ブロック化マイグレーション法を提案し、それらの処理結果について検討する。 第3章では、高分解能化処理において不可欠となる比誘電率(電波の伝搬速度)の推定において、候補となる複数の比誘電率についてF-Kマイグレーション処理を行ない、反射像の収れん度を評価することにより比誘電率を自動的に推定する手法を提案し、実験結果から、比誘電率の正確な推定が可能なことを示している。 第4章では、前章までで述べた地中探査レーダ画像の高分解能化、比誘電率の推定を統合した自動化処理を提案し、操作者の判断を仰ぐことなく埋設管の位置を正確に検出可能であることを示している。ここでは、層状信号の除去、整合フィルタ処理による深度方向の高分解能化、埋設管の検出についても述べている。 第5章の結語では、本研究において提案した方法について、より広い視野から検討を加え、今後の方針について示している。

 
     
 
     

 

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