過去の研究

1991-1994

Wavelet変換を用いたステレオマッチング 田中 耕平

 ステレオ解析は、濃淡による形状認識のような方法よりももっと直接に定量的な奥行きの数学的表現を供給することが出来る。ステレオ画像から奥行きのデータを得ることは、以前から地図作成などのさまざまな分野でのアプリケーションとして使われてきた。しかしながら、ステレオ画像も他の画像データと同様に、ハードウエア的にも符号化技術が重要となってくる。最近さまざまな論文などで取り上げられているWavelet変換により画像圧縮がなされたステレオ画像において、圧縮段階で生成される低分解能の画像を用いてピラミッド構造を構築し、それを用いてマッチングを行なう。このことによって、原画像から、わざわざGaussianなどによりピラミッド構造を構築してからマッチングをとるといった作業を省き、それによって、マッチングの作業全体の効率を高めることが出来る。 Wavelet変換により得られた低分解能の画像を用いてピラミッド構造を構築し、それにおけるテンプレートマッチングとステレオ画像のピラミッド構造化におけるマッチングで比較的良い結果を示すGaussian Pyramidによるテンプレートマッチングとを比較検討した。結果、Wavelet変換によりピラミッド構造化しテンプレートマッチングを行なったものと、Gaussian Pyramidによりテンプレートマッチングを行なったものとでは、それぞれの特性により差はあるが大きな差は得られず、 Wavelet変換によるものの方が、ピラミッド構造を新たに作成する作業を省くことが出来るので、Gaussian Pyramidなどの従来法より優れていることがわかった。

 
     
 
     

 

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