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上智大学理工学部物質生命理工学科 木川田研究室

木川田研究室についてinformation

我々の研究分野は「地球化学」です

 地球化学とは,「地球や宇宙の成り立ちや,そこにおける物質循環の仕組みを化学的に理解しようとする学問」です.平凡社の世界大百科事典には「地球およびその構成部分に存在する元素,同位体,化学種 (化合物,イオン種など) の分布,移動,変化を空間的,時間的に取り扱い,それらを支配する法則や原理を見いだす学問 」と示されています.
 今日における地球化学の研究対象は,地球の構成物という枠を超えて「宇宙からバクテリアまで」に広がり,細分化された研究分野が「地球化学」という学問分野を構成しています.

 地球化学は自然科学の中のひとつの分野です. 自然科学を基礎科学と応用科学,あるいは理学と工学とに分けるとすれば,地球化学は基礎科学,理学系に属する学問になります.
 したがって,その研究は知的好奇心により進められ,現実社会への還元はほとんどないという印象を持たれる場合があります. 確かに地球化学分野の研究が,我々消費者の生活を豊かにするような最終製品としての「モノ」をを生み出すことはほとんどありません.
 しかしながら,地球化学は我々の生活と密接に関わる様々な応用面を有しており,単に自然の理を考え示す学問ではありません. たとえば地球化学のアプリケーションとして次のような分野を挙げることができます.

  ○地震・火山噴火予知
  ○防災・災害予測(土砂災害,水害,火山災害など)
  ○環境問題(たとえば地球温暖化,水質・土壌・大気汚染の現象理解とその対策)
  ○エネルギー問題(たとえば資源探査,放射性廃棄物処分の安全確保と安全性評価)

 一方,地球環境の危機が声高に叫ばれる現在,環境化学(あるいは環境科学)という言葉が社会に浸透し,「地球化学=環境化学」というイメージを持つ人も多いかもしれません.
 地球化学は20世紀初頭に興った自然科学の中では新しい学問体系ですが,「環境化学」という学問は「地球化学」が取り扱う広範な研究対象の中で,特に「環境」に関わる部分に注目した場合に用いられるものであり,地球化学と同義ではありません.
 環境化学という学問名は,社会が環境問題を意識しはじめた1980年代頃から使われ始めた(それ以前は「環境」問題ではなく「公害」問題でした),新しい言葉のように思います.

研究設備

湿式化学分析に対応する実験設備は完備されています.
また,環境分析に対応する分析装置として以下を所有しています.

 原子吸光分析装置(フレーム/黒鉛炉)
 フレーム発光分析装置
 四重極型ICP質量分析装置
 イオンクロマトグラフ
 UV-Vis分光光度計

なお,下記の学科共通機器は当研究室に設置されており,その運用管理を行っています.

 シーケンシャル型ICP発光分析装置
 二重収束型ICP質量分析装置

所在地

〒102-8554
東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学理工学部物質生命理工学科
木川田研究室

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