第三回コメント回答 6月29日回収分                                    <<<戻る

今回は、残念ながら質問を書いてくれた人が少なかったのですが、良い質問も
たくさんありました。それでは回答して行きます。

[質問]

  1. 正準変換の板書で大文字Pと小文字pの区別がつきにくい。
  2. ルジャンドル関数についてもう一度説明して下さい。
  3. 正準変換はポワソンの括弧式を満たすものを言うのでしょうか。
    正準変換とポワッソンの括弧式の関係を説明して下さい。
  4. ハイゼンベルグの運動方程式と普通の運動方程式とは、どのように
    とらえ方が違うのかわからない。
    ハイゼンベルグの運動方程式は、変数の時間変化を追跡するための
    ものであるとは具体的にどういうことか。
  5. 正準方程式の直感的意味がわからない
    正準方程式ってようするに何なんですか
  6. ラーモアの定理とは何ですか
  7. 荷電粒子を量子力学的に扱う場合のゲージ変換がうまくいかない
  8. 行列式は深く勉強しておくべきなのでしょうか
  9. 二つのラグランジアンが同等である場合、どうして、L=L'+dW/dtのように任意関数の
    時間微分がついても良いのか。

 

[回答]

  1. 正準変換の板書で大文字Pと小文字pの区別がつきにくい。

    実は、はっきり区別できるように書いてあるのですが、説明が足りませんでした。
    大文字Pは、必ず下に横棒を引いてあるのです、、、、。

  2. ルジャンドル関数についてもう一度説明して下さい。

    ルジャンドル関数は、解析力学では一度も扱っていません。量子力学で頻繁に使いますが、、。

  3. 正準変換はポワソンの括弧式を満たすものを言うのでしょうか。
    正準変換とポワッソンの括弧式の関係を説明して下さい。

    正準変換とは、ポワッソンの括弧式を不変に保つものを言います。つまり、
        [p,q]=[P,Q]
    のような変換です。ただ、注意することは、括弧式を計算する際の偏微分変数は、
    右辺と左辺でどちらも同じ変数の組を使わなければ成りません(どちらもp,qで偏微分)。
    他にも正準変換の定義はいくつかあります。正準方程式がそのまま成り立つとか、
    母関数から定義に従って求めた変換、などですが、いずれも等価です。

  4. ハイゼンベルグの運動方程式と普通の運動方程式とは、どのように
    とらえ方が違うのかわからない。
    ハイゼンベルグの運動方程式は、変数の時間変化を追跡するための
    ものであるとは具体的にどういうことか。

    一般に、ある変数(座標とは限りません)の時間微分を与える方程式のことを
    「運動方程式」と呼びます。時間微分がわかれば、微小時間経過後の値は、
        y(t+Δt)=y(t)+(dy(t)/dt)・Δt
    のように簡単に計算できます。もっと長い時間が経過した場合の値は、これを
    繰り返して行けばよいのです。つまり、
        y(t+2Δt)=y(t+Δt)+(dy(t+Δt)/dt)・Δt
    としていけば、任意の時間経過後の値を知ることが出来ます。ハイゼンベルグの
    運動方程式は、上の式で、dy/dtを求める手段を与えているのです。

  5. 正準方程式の直感的意味がわからない
    正準方程式ってようするに何なんですか

    運動方程式です。

    ニュートン、ラグランジュの微分方程式、正準方程式、ハイゼンベルグの運動方程式、
    いずれも、等価な運動方程式です。
    正準方程式は、1階の微分方程式なので扱いが簡単なこと、正準変換でも形が変わらない、
    という大きなメリットを持っています。

  6. ラーモアの定理とは何ですか

    弱い磁場がかかった状態というのは、自分がくるくる回るのと同じということです。
    磁場中のサイクロトロン運動や、ラーモア歳差運動などの回転運動は、
     粒子や磁気モーメントが回転しているのですが、磁場をかけない状態で、観測者が
     くるくる回転すれば、粒子や磁気モーメントが回っているように見えるので同じということです。

  7. 荷電粒子を量子力学的に扱う場合のゲージ変換がうまくいかない

    実際の計算はなかなかハードです。一度やっておくと自信が持てるでしょう。

  8. 行列式は深く勉強しておくべきなのでしょうか

    個人的意見ですが、線型代数で大事なのは、まず、
        1) 行列の固有値
        2) ベクトル空間
    です。その次くらいに
        3) 行列式
        4) トレース
    が来ます。行列式については、とりあえずは、
        3-1) ゼロだと逆行列は無い。
        3-2) 変数変換するにはヤコビアンを使う。
        3-3) 3次元の行列式くらいは大体覚えている。
    を理解できていればよいのではないでしょうか。
  9. 二つのラグランジアンが同等である場合、どうして、L=L'+dW/dtのように任意関数の
    時間微分がついても良いのか。(ハミルトニアンから逆変換で求めたラグランジアンもどきを
    現すのに、下線をつけたLを使っています。ですから、L=L(p,q)です。

    最小作用の原理は、Lを積分した結果が極小になるような運動が実現するというものでした。
    その際の仮定として、運動の始点(時刻t0)と終点(時刻t1)の座標と運動量は固定されていますから、
    ∫[L'+dW/dt] dt =∫L' dt + W(p(t1),q(t1)) - W(p(t0),q(t0))
    でわかるように、途中の状態は結果に全く入ってきません。入っているのは始点と終点のWの
    値だけです。ですから、dW/dtの項は全く無視してもOKなのです。<<<TOP


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