<2014年春学期 紹介文>

 木村教授率いるこのゼミでは、自分の興味があるテーマから日本とドイツ2つの社会を比較し、分析をすることを主にしています。2014年春学期は、先学期のテーマにつなげてまず全体で「ドイツでの反原発派の100の意見」と、それに対する「原発賛成派の100の反論」について、それぞれの根拠はどこからきていて、どれだけの信憑性を持っているか」をお題に、各自1つの意見とそれに対する反対意見を選び、ドイツ語の資料に苦戦しつつ分析し、発表をしました。

 また今学期は、ゼミにドイツからの留学生が2人加わり、日本人の学生は発表の要約をドイツ語で、ドイツ人の学生はそれを日本語で発表することで、互いの語学力を磨く機会を得ることができました。また、議論をする時もなるべく日本語だけでなく、ドイツ語でも発言するよう頑張りました!

 そして学期の締めくくりに、各自興味のあるテーマについて発表の予定だったのを、ちょっと別のものに変更しました。それは「資料の批判分析」です。最初に全体で行った反原発、原発賛成派の意見の発表で、その意見の根拠となる資料、情報の信憑性などがいまいち調べきれなかったことに注目したのです。何かのテーマについて発表する、レポートを書く前に私たちは必ず資料や、文献を調べます。インターネットもそうです。しかし、そこにある情報がどれくらい信じられるものなのか、確かなのか、それによって私たちの意見の強さも左右されます。そこで、まず最初にその情報が確かなのか批判的な視点で資料を分析することを覚えようとなったのです。
 書籍、論文、新聞記事から1つ興味のあるものを選び、それを筆者のプロフィールから、書き方、出典、出版社名、調べられるところを全て調べその信憑性を追究します。すると、今まで疑問を持たず資料の内容を鵜呑みにしてしまっていたことがわかりました。

 ここで突然ですが私の心に残っている教授の一言を書きたいと思います。
「あらゆることに疑問を持ち、それを追究することができる場所、それについて発言できる場所、それが大学なのではないでしょうか。」一言一句同じではないのですが、こんな一言でした。資料分析の大切さを改めて考えさせられる言葉です。耳に痛かったです。
また5月には四谷で行われた日独・国際原子力シンポジウムに参加する機会もあり、元スイス大使の方やドイツの識者の方の意見を直接聞くことができました。

 と、このようにして今学期は過ぎたのですが、今回ゼミの人数は後期だけの開講だった昨年度の4人から11人になり、留学生も来てくれました!でも雰囲気は変わらず(?)、なんだかほんわりとしています。最後の授業にはみんなで一緒にお昼ご飯も食べたりと、内容が濃いゼミですが本当に居心地が良いです。
ドイツ(語圏)のこんなところ、もっと詳しく知りたい。ドイツ語の授業以外で、ドイツ語に触れられないかな。そんな方はぜひ木村ゼミにおいでください!  (文責:S.V.)