上智大学心理学科生理研TOP「生理心理学」講義要項

2019年度 上智大学総合人間科学部 「生理心理学 I・II」 講義要項
担当教員: 岡田 隆


【生理心理学 I (神経・生理心理学)】

講義概要
 生理心理学(生理学的心理学)とは、行動や精神機能の生物学的基礎を研究する学問領域である。さまざまな神経科学の方法を駆使することによって、究極的には「脳と心」の関係を解明することをめざしている。
 春学期の「生理心理学 I」では、脳の構造と働きについての総論を述べた後に、感覚・知覚・記憶・学習・情動などの生物学的基盤に関するこれまでの知見を紹介する。随所で神経心理学的知見を紹介するとともに、高次脳機能障害の概要についても述べる。講義内容には、狭義の生理心理学だけでなく、精神生理学や認知神経科学に関することも含まれる。
 受講者が次のことを習得することを狙いとする。(1)脳の活動時に細胞レベル・分子レベルで起こっていることを具体的に理解する。(2) 認知行動や情動行動などの生物学的基盤に関するこれまでの知見を学ぶ。(3)それらの知見をうるために用いられた研究法、および今後重要になってくると思われる最新の研究法について理解する。
 教科書や参考書を用いた予習と、授業で配られたプリントの復習が必要である。1回の授業につき、授業時間外の学習に対して3時間以上充てることが目安である。
 生理心理学 II(秋学期開講)とセットでの受講が望ましい。履修の順番は問わない。

他学部受講可否
 

評価基準と割合
  春学期学期末試験(定期試験期間中)70%、リアクションペーパー30%。毎回の授業終了時に、当日の講義内容に関する設問に答える小テスト(受講者自身のノート・参考書・配布資料を参照してよい)を毎回行う。これが「リアクションペーパー」の評点となる。

テキスト
 授業ではプリントを配付する。

参考書
 岡田隆「生理心理学」放送大学教育振興会、2018年
 岡田隆・廣中直行・宮森孝史「コンパクト新心理学ライブラリ14・生理心理学 第2版」サイエンス社、2015年

授業計画
 第1講:心と脳の関係を科学的に研究するには
 第2講:脳の構造
 第3講:神経細胞のはたらき
 第4講:知覚と脳(前編)視覚を中心に
 第5講:知覚と脳(後編)さまざまな知覚系
 第6講:記憶の座
 第7講:脳の可塑性
 第8講:学習と認知の神経基盤
 第9講:情動とストレス
 第10講:心の病気と脳
 第11講:生体リズム
 第12講:脳の左右差と言語
 第13講:高次脳機能障害
 第14講:非侵襲的脳機能測定法

その他
・予備知識について:
 心理学の基礎知識を有していることが望ましい。
 数学・生物学・化学の予備知識については、あればもちろん良いが、なくても履修に不都合は生じない(本講義の理解に必要な知識はそのつど説明するので)。授業にはできる限り出席し、学習内容を着実に理解・記憶するよう努めてほしい。
 


【生理心理学 II】

講義概要
 生理心理学(生理学的心理学)とは、行動や精神機能の生物学的基礎を研究する学問領域である。さまざまな神経科学の方法を駆使することによって、究極的には「脳と心」の関係を解明することをめざしている。
 秋学期の生理心理学 II では、ミクロなレベルでの分子機構と精神機能との関連について詳述するとともに、知能や意識といった高次概念に生理心理学がどこまで迫っているのかについても議論する。講義内容には、狭義の生理心理学だけでなく、精神生理学や認知神経科学に関することも含まれる。
 精神機能の生物学的基盤について、ミクロな分子レベルにおけるこれまでの知見を身につけ、また知能・意識といった高次概念と生理心理学との結びつきを理解する。
 教科書や参考書を用いた予習と、授業で配られたプリントの復習が必要である。1回の授業につき、授業時間外の学習に対して3時間以上充てることが目安である。
 生理心理学 I(春学期開講)とセットでの受講が望ましい。履修の順番は問わない。

他学部受講可否
 

評価基準と割合
  秋学期学期末試験(定期試験期間中)70%、リアクションペーパー30%。毎回の授業終了時に、当日の講義内容に関する設問に答える小テスト(受講者自身のノート・参考書・配布資料を参照してよい)を毎回行う。これが「リアクションペーパー」の評点となる。

テキスト
 授業ではプリントを配付する。

参考書
 岡田隆「生理心理学」放送大学教育振興会、2018年
 岡田隆・廣中直行・宮森孝史「コンパクト新心理学ライブラリ14・生理心理学 第2版」サイエンス社、2015年

授業計画
 第1講:心の分子神経科学
 第2講:膜電位のしくみ
 第3講:感覚系における信号変換
 第4講:記憶痕跡を求めて(前編)長期増強を中心に
 第5講:記憶痕跡を求めて(後編)ニューロン新生を中心に
 第6講:遺伝子と行動
 第7講:脳の性差
 第8講:摂食と飲水の制御とその障害
 第9講:覚醒と睡眠の分子機構
 第10講:運動制御の階層構造
 第11講:前頭葉の機能
 第12講:脳と意識
 第13講:脳の発達
 第14講:まとめと展望

その他
・予備知識について:
 心理学の基礎知識を有していることが望ましい。
 数学・生物学・化学の予備知識については、あればもちろん良いが、なくても履修に不都合は生じない(本講義の理解に必要な知識はそのつど説明するので)。授業にはできる限り出席し、学習内容を着実に理解・記憶するよう努めてほしい。


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Last updated on Mar. 27, 2019