夫大仙利物、名教爲基、君子濟時、 故能空中塵中、開本有之字、龜上龍上、
世間出世、誰能遺此乎。 故経説阿![]() 孔宜有言、「小子何莫學夫詩。 詩可以興、可以観。 ![]() 遠之事君」、「人而不爲周南 ![]() 其猶正 ![]() 是知文章之義、大哉遠哉。 文以五音不奪、五彩得所立名、 游夏得聞之日、屈宋作賦之時、 貧而樂道者、望絶訪 取決無由。 貧道幼就表舅、頗學藻麗、長入西秦、 雖然、志篤禪黙、不屑此事。 音響難兔、披卷函丈、即閲諸家格式等、 配巻軸於六合、懸不朽於兩曜、 庶 |
夫れ大仙の物を利するや、
然らば則ち一は名の始めと為し、 名教を以て宗と為せば、 世間出世、誰か能く此を遺れんや。 故に経に説く、阿 孔宣言へる有り、 文は五音奪はず、五彩所を得るを以て名を立て、章は事理倶に明らかにして、文義昧からざるに因りて号を樹つ。 文に因りて名を詮し、名を唱へて義を得。 名義已に顕らかにして、もって未だ悟らざるものを覺す。三教是に於て 焉に於て釈経は妙にして入り難く、 游・夏聞くを得るの日、屈・宋賦を作るの時、両漢の辞宗、三国の文伯、体韻、心に伝へ、音律口に授く。 沈侯・劉善の後、王・咬・崔・元の前、盛んに四声を談りて、争ひて病犯を吐き、黄巻篋に溢れ、 貧にして道を楽しむ者は、望みを訪 貧道は幼にして表舅に就きて、 然りと雛も、志は禅黙に篤くして、 爰に一多の後生有りて、 音響黙し難く、巻を函丈に披き、 巻軸を六合に配し、不朽を両曜に懸け、名づけて『文鏡秘府論』と曰ふ。 庶はくは![]() 山野文会の士の、千里を尋ねずして、 蛇珠自づから得、旁捜を煩はさずして ![]() |