2023年度の講義概要



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数学BI(微分積分)(情報理工学科クラス)

一変数の場合を中心に、微分積分など数学に於ける解析的手法を扱う。 高校までの「等式の数学」で余り触れられない「不等式による評価」の話から始めて、 Taylor展開の理論を大きなテーマとし、 極限・収束・無限和・微分・積分・近似計算などを関連付けて講義する。 高校までで学んだ知識も活用する一方、それらのより確かな基礎付けも与える。 問題演習や多くの例を通じて理論的な事項を実感すると共に、 将来出会う様々な実例に馴染んでもらいたい。 この科目は、多変数の微積分(数学BII)・微分方程式・複素関数論・フーリエ解析など 引き続いて学ぶ数学の基礎としてだけでなく、 物理学・工学等の理工系のあらゆる科目の基礎として重要である。

主な参考書

数学演習I(情報理工学科クラス)

「数学AI(線型代数)」と「数学BI(微分積分)」 の講義内容に対応する演習の授業である。 授業は「線型代数演習」と「微分積分演習」を交互に隔週で行なう。 数学分野において自分で実際に計算することは、諸科学の実験に相当する営みであり、 対象に馴染み理解を深めるために必要不可欠である。 この科目は引続いて学ぶ数学の基礎としてだけでなく、 物理学・工学等の理工系のあらゆる科目の基礎として重要である。

この中から、「微分積分演習」7回(隔週)を担当する。 ここで配布する演習問題も 数学BI(微分積分)(情報理工学科クラス) の頁に掲載しておく予定。

幾何学基礎

本授業では、後に続く一連の幾何学系科目 「幾何学I(微分幾何)」「幾何学II(多様体論)」「幾何学III(位相不変量)」 に先立つ導入科目として、最初に上記の一連の科目で扱う観点を概観した後、 数学のあらゆる分野で用いられる言葉としての集合・写像の基礎事項について述べる。 続いてユークリッド空間における距離に触れて馴染んだ後、 近い/遠いという構造を持った集合としての 一般の距離空間・位相空間の基礎事項について講義する。 理工共通科目II群の他の数学系科目と同様に、 このさき進む方向に関わらず、身に付けておくことが重要な基礎的内容である。

主な参考書

情報数理演習I

この授業は、 ∀∃を用いた命題の記述・証明、公理に基づく一般的な線型空間論、 および複素数を使った解析学について演習を行い、 次のような内容の理解・習熟を目的とする:

この中から、「ε-δ論法演習」などの5回を担当する。

主な参考書

計算機数学

「この問題は計算機でも計算できないなぁ」 「君は実に…計算が下手なんだなぁ」 「そうじゃなくて計算できないことが証明できるんだよ」 「え?どゆこと?」

「計算」とは何か、「計算できるか/できないか」というような問いに対して、 数学では、「計算機が行なうこと」を「計算」と考え、 計算機が行なえることを「計算モデル」として定式化することによって 「計算」を定義し、明確に答えることを可能にしてきた。 本講義では、代表的な計算モデルを取り上げながら、 計算の理論・アルゴリズムの概念・計算量の理論の初歩を紹介し、 計算の可能性・効率について論ずると共に、 具体的な例として幾つかの基礎的な数理アルゴリズムについて触れる。

主な参考書

GreenScience&Engeneering(Mathematics)

This class consists of three topics in mathematics provided three lecturers.

Among these, I will give the lectures on Euclidean algorithm (2 weeks).

数の世界

小学校の算数以来馴染みの深い「数」、とりわけ「整数」の振舞いについて、 様々な奥深い現象を紹介する。 剰余と合同式、ユークリッドの互除法による最大公約数の計算法、 連分数展開、方程式の解法理論の歴史、素数の概念の意義と見直しなどの話題に加え、 暗号など近年の情報化社会における応用などを通じて、 数理現象の探求が数理技術として活用されている様子にも触れる。 高校の「数学II・数学B」程度の予備知識を想定する。

主な参考書

現代数学B

「0.999…って大体1だよね。」 「大体ってなんだよ。ちょうど1だよ。」 「え?そうなの?」

実数全体の集合Rは多くの数学的現象の基本的な場であり、 ただ数が集まった集合であるだけでなく、 四則演算が出来るという代数構造、 大きい/小さいという順序構造、 近い/遠い・収束・極限という距離・位相構造を備えていることが重要である。 本講義の前半では、 より基本的な数である自然数から実数を構成する道筋を辿ることで 実数の基礎付けを行ない、 後半では、実数の基本的な構造の中でも特に距離・位相構造に焦点を当てて、 幾何学・解析学が展開する場としての実数の基本性質を講義する。 集合・写像・同値関係などの用語を用いるので、 「現代数学A」(或いはそれに準じる科目)を学んでいることが望ましい。

主な参考書