数の世界・講義内容と予定


秋学期・月曜2時限・3-223教室 教室変更で3-371教室(初回の授業を実際に行なった教室)になりました。

上智大学の学部シラバス内の本授業のページ [数の世界 ]


レポート提出について

講義概要

小学校の算数以来馴染みの深い「数」、とりわけ「整数」の振舞いについて、 様々な奥深い現象を紹介する。 剰余と合同式、ユークリッドの互除法による最大公約数の計算法、 素数の概念の意義と見直し、方程式の解法理論の歴史などの話題に加え、 暗号など近年の情報化社会における応用などを通じて、 数理現象の探求が数理技術として活用されている様子にも触れる。 高校の「数学II・数学B」程度の予備知識を想定する。

講義計画

以下は全体の予定であり、 受講生および担当者の興味などにより変更する場合もある。

主な参考書

講義内容

10/03

配ったプリント [page 0(pdf,12KB) |アンケート(pdf,7KB) ]

本授業の概要・予定。半期の講義内容全般の概観・予告。

整除性(割り切れる/割り切れない)についての小ネタ。

10/10

「体育の日」であるが授業実施日である。

配ったプリント [演習(1)(pdf,9KB) ]

整除。整数に関する割算の原理。合同式。

数学での証明の考え方。数学的帰納法。

10/17

配ったプリント [演習(2)(pdf,7KB) ]

合同式。ユークリッドの互除法。

10/24

配ったプリント [演習(3)(pdf,11KB) ]

ユークリッドの互除法拡張版。最大公約数の特徴付け。 中国式剰余定理(孫子の定理)。

10/28(見做し月曜日)

見做し月曜日のため、本授業を行なう

ユークリッドの互除法拡張版・合同式に於ける除算。有限体。

11/07

配ったプリント [演習(4)(pdf,12KB) ]

数の構成(1)整数から有理数へ(分数化) 。同値関係による商。

11/14

数の構成(1)整数から有理数へ(分数化・続き) 。定義の well-definedness について。

数の構成(2)自然数を作る(ペアノの公理系)。

11/21

数の構成(1)整数から有理数へ(補足) 。定義の well-definedness について。

数の構成(2)自然数を作る(ペアノの公理系・続き)。加法の定義と可換律の証明。

11/28

配ったプリント [演習(5)(pdf,13KB) ]

数の構成(2)自然数を作る(ペアノの公理系・続き)。自然数から整数へ。

数の構成(3)有理数から実数へ(準備)。 Newton-Raphson法による sqrt(2) の有理数近似。

12/05

数の構成(3)有理数から実数へ(完備化)。

12/12

配ったプリント [演習(6)(pdf,8KB) ]

数の構成(4)実数から複素数へ(代数拡大)。

方程式の古典的な解法理論。3次方程式の解の公式。

12/19

配ったプリント [page 1,2(レポート問題の例)(pdf,35KB) ]

方程式の古典的な解法理論。4次方程式の解の公式。その後の展開。

不定方程式 x^2+y^2=1 の有理数解と X^2+Y^2=Z^2 の整数解。

01/09

「成人の日」でお休み。

01/16

不定方程式 x^2+y^2=1 の有理数解と X^2+Y^2=Z^2 の整数解(続き)。

素数の概念の意義と見直し。 素因数分解の一意可能性、および二次体の整数環におけるその喪失の例。

01/23

配ったプリント [page 3,4(レポート問題の例)(pdf,38KB) |page 5(アンケートなど)(pdf,11KB) ]

素数の概念の意義と見直し。素因数分解の一意可能性およびその喪失と回復。 ガウスの整数環 Z[\sqrt{-1}] での割算の原理。

整数の数理の応用。RSA暗号。(少しだけ)

期末試験は行なわない。今までの演習課題と期末レポートとにより評価する。