代数学特論I(数学領域)・講義内容と予定


春学期・水曜2時限・4-577ゼミ室


講義概要

代数学・整数論・表現論などの話題の中から、学部の授業では到達しないが、 大学院生としては知っているべき基本的な内容を選んで講義する。 内容は受講生の希望や予備知識などを踏まえて決めるが、 加群のホモロジー代数・有限群の線型表現・代数的整数論などの 基本事項を予定している。

講義計画

環論の復習と補足・加群のホモロジー代数・有限群の線型表現・代数的整数論 などから、受講生と相談しつつ内容を決めて講義する予定。

主な参考書

必要なら適宜参照せよ。

講義内容

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配ったプリント [アンケート(pdf,6KB) ]

環論の復習。環の定義と例。 非可換環は加法群の自己準同型環として典型的に現れる。 剰余環。分数化・局所化。

4/24

環論の補足。分数化・局所化。Spec(R)。

5/1

環の作用・加群。完全列。五補題。

5/8

完全列。五補題。蛇補題。Hom加群。引戻し・押出し。Homの左完全性。

5/15

分裂完全列。射影加群・入射加群。テンソル積。

5/22

テンソル積。係数拡大。随伴同型。テンソル積の右完全性。平坦加群。

5/29

鎖複体。ホモロジー長完全列。

6/5

(コ)ホモロジー長完全列の例。Ext,Tor。

6/12

群コホモロジー。

6/19

群コホモロジーの例。ガロアコホモロジー・クンマー列。

群の線型表現。アーベル群の場合。 例: G=R/Z (Fourier展開は双対空間上の関数)。

6/26

群の線型表現。アーベル群の場合。 例: G=R (Fourier変換は双対空間上の関数)。 例: G=Z/mZ。

有限群の線型表現。完全可約性(任意の部分表現は直和因子)。

7/3

有限群の線型表現。完全可約性(続き)。表現のテンソル積。対称テンソル代数。 双対(反傾)表現。

表現の指標。

7/10

有限群の線型表現。群の共役類。指標の直交関係。

7/17

有限群の線型表現。既約指標全体が類関数の空間の正規直交基底を成すこと。 誘導表現・Frobeniusの相互律。指標表の例: 巡回群・二面体群・4次対称群。

期末試験は行なわない。出席状況・授業参画などにより、総合的に評価する。