リフティングウェーブレット
まず始めにリフティングウェーブレットの利点をあげると、@簡単、かつ高速なアルゴリズムであること、A整数の取り扱いが容易であること、B逆変換の導出が容易であること、などが挙げられます。リフティングは主にSplit、Predict、Updateの3つの構成要素から成り立っています。
今x[k]はinput sequenceを表し、y0[n],y1[n]は2チャンネルのsubband sequenceを表すこととします。input sequenceを動画像した場合、subband sequenceはx[k]の偶数フレーム目、奇数フレーム目のsub sequenceであり、ここで、x[2n]を偶数フレーム目とし、奇数フレーム目をx[2n+1]と表すこととします。
図1 リフティングウェーブレットの構造
図1をもとにリフティングの式を書くと
となり、p(l)はlの奇偶(もしlが偶数なら0、奇数なら1)を示します。
図2 逆リフティングウェーブレットの構造
逆変換の式は以下のように表すことができます。
このように逆変換の計算を取り扱うのが比較的簡単であり、完全にオリジナルデータと一致する仕組みとなっていることがわかりました。
またリフティングウェーブレットには5/3フィルタや9/7フィルタなどのフィルタ係数が決まっているものもあり、この2つは一般的によく用いられています。
ここで動き補償をWで表すと、例えば5/3リフティングウェーブレットの場合の動き補償を用いたリフティングの式は次のようになります。
リフティングウェーブレットを時間軸方向で表した図が以下の図3となります。
図3 リフティングウェーブレットの時間軸表現
戻る