Different Things under the Same Name?

 

A Research Dialogue on Self-Help Organisations between

a Japanese Social Worker and an Australian Anthropologist

 

Tomofumi Oka and Richard Chenhall

 

2007

 

Sophia University Studies in Social Services, 31, pp. 39-64.

 

要約

 

日本の自助組織は米国や豪州で言われている自助組織と同じものなのか。同じ名称がついている別種の組織である可能性はないのか。本論文は、この疑問に日本の社会福祉研究者と豪州の人類学者が答えようとしたものである。本論の前半は日本人の著者が、疑問の根拠として日本の文化の特質と、それに関連した自助組織の研究上の難しさについて述べる。後半は豪州人の著書が、豪州アボリジニのアルコール依存症患者による自助組織でのフィールドワークの体験を基に、前半に出された課題について答える。言及された研究上の難しさの一部は豪州での調査においても見られ、決して日本に限ったことではないことが指摘される。日本でも豪州でも自助組織の調査は社会的に不利な立場に置かれた人々への調査であり、高い倫理性が求められる。異なる社会的条件は自助組織に異なる形態を与えるが、多様な組織形態の研究は自助組織の概念と理論を発展させることにつながるだろう。

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