〔授業の概要〕
本講を通じて学生は普段何気なく使っている「ことば」を客観的に観察・分析することで、その本質を考察する。具体的には言語学の中心的なテーマである「言語構造」に関する内容と、 言語とその他の分野との接点を、指定テキストと担当者の準備した資料(様々な練習問題を含 む)をもとに講義およびディスカッション形式で学んでいく。また理解促進のため毎授業時に既習内容に関する復習を質疑応答の形で行う。
〔達成目標〕
本講の目標は学生が対象言語となっている英語の音声・音韻の体系、語形成、文構造、文や発話の意味といった基本的な言語構造、および歴史やことばのバリエーション、言語と文化の接点や言語習得といった関連分野に関する基本的概念・理論の理解を深めることである。
〔到達目標〕
学生は言語学という学問分野の中で音、語、句・文、談話、そして意味のそれぞれがどのよう な体系/構造を有しているのかを理解し、それを自らの言語生活(母語と外国語)に照らし合わせ、考察することができるようになる。同様にその他の関連テーマについても内容の理解だけにとどまらず、そこから自らがどのように日々言語を使用し、また学んでいるのかについて様々な発見や気付きを得ることができる。
〔評価方法〕
理解度テスト(25%)定期試験(45%)ブックレポート(20%)授業参加度(10%)
〔評価基準〕
・理解度テスト(25%)学期の3分の1の内容についての理解と定着度を確認する。
・定期試験(45%)理解度テスト以降の内容についての理解と定着度を確認する。
・ブックレポート(20%):ブックリストにある指定図書の中から一冊を読み、内容の要約(記述内容を理解した上で、要点がまとめられているかどうか)と自分の見解(本から学んだことを踏まえ、どのよう新たな発見があったか、どのような疑問が浮かんできたか、どのような課題が見つかったかなどについて論述できているかどうか)を含めたブックレポートを 作成する。
・授業参加度(10%):授業内(復習時、グループディスカッション)での発言回数と内容、ブックレポートの口頭発表で分かりやすく伝えることができたか
授業計画 |
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回 |
テーマおよび学習内容 |
運営方法、教育手法 |
準備学修(予習・復習) |
1 |
Course overview & the study
of language |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト全体に目を通す |
2 |
What is Language? |
講義、ビデオ視聴、ディスカッション |
テキスト(ch. 1-2)、レジュメの予習・復習 |
3 |
What is Language? |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 1-2)、レジュメの予習・復習 |
4 |
What is Linguistics? |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 1-2)、レジュメの予習・復習 |
5 |
History of English |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 3-5)、レジュメの予習・復習 |
6 |
History of English |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 3-5)、レジュメの予習・復習 |
7 |
History of English |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 3-5)、レジュメの予習・復習 |
8 |
Phonetics |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 8-9)、レジュメの予習・復習 |
9 |
Phonology |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 8-9)、レジュメの予習・復習 |
10 |
Phonology |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 8-9)、レジュメの予習・復習 |
11 |
Morphology |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 10)、レジュメの予習・復習 |
12 |
Morphology |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 10)、レジュメの予習・復習 |
13 |
In-Class Test理解度テスト(40分)、ブックレポートの書き方、復習(60分) |
テスト実施 |
テキスト(ch. 1-10)、レジュメの予習・復習、テスト準備 |
14 |
Syntax 1 統語論1 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 11-12)、レジュメの予習・復習 |
15 |
Syntax 2 統語論2 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 11-12)、レジュメの予習・復習 |
16 |
Syntax 2 統語論2 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 11-12)、レジュメの予習・復習 |
17 |
Semantics |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 13-16)、レジュメの予習・復習 |
18 |
Semantics |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 13-16)、レジュメの予習・復習 |
19 |
Pragmatics 語用論 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 17-20)、レジュメの予習・復習 |
20 |
Pragmatics 語用論 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 17-20)、レジュメの予習・復習 |
21 |
Communication and culture |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 21-22)、レジュメの予習・復習 |
22 |
Sociolinguistics 社会言語学 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 6 & 23-24)、レジュメの予習・復習 |
23 |
Sociolinguistics 社会言語学 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 23-24)、レジュメの予習・復習 |
24 |
Second Language Acquisition 第二言語習得 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 25)、レジュメの復習、テスト準備 |
25 |
Second Language Acquisition 第二言語習得 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
テキスト(ch. 25)、レジュメの予習・復習 |
26 |
Review定期試験範囲の総復習 |
講義、ディスカッション、質疑応答 |
試験範囲の復習 |
|
定期試験を実施する Final
Exam will be held |
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27 |
Presentationブックレポート口頭発表 |
口頭発表 |
ブックレポート提出 |
28 |
Presentationブックレポート口頭発表 |
口頭発表 講義、質疑応答 |
試験問題の復習 |
[言語学入門書]
ジョージ・ユール(著)今井邦彦・中島平三(訳)『現代言語学20章−ことばの科学−』大修館書店、1987
黒田龍之介『はじめての言語学』(講談社現代新書、2004
大津由紀雄(著)『探検!ことばの世界』ひつじ書房
大津由紀雄(編著)『はじめて学ぶ言語学』ミネルヴァ書房、2009
佐久間 淳一 (著)町田 健 (著) 加藤 重広 (著) 『言語学入門―これから始める人のための入門書』 研究社
牧 秀樹 (著) 『みんなの言語学入門 ―日本語と英語の仕組みから未知の言語へ―』開拓社
[英語史]
寺澤盾『英語の歴史−過去から未来への物語』中公新書(中央公論新社)
中尾俊夫・寺島廸子『図説 英語史入門』(大修館書店)
[音声学・音韻論]
ピーター・ラディフォギッド(著)竹林滋、牧野武彦(訳)『音声学概説』大修館書店
Philip Carr(著)竹林滋、清水あつ子(訳)『新版英語音声学・音韻論入門』研究社
竹林 滋・斎藤弘子『改訂新版 英語音声学入門』 大修館書店
竹林 滋・清水あつ子・斎藤弘子(著)『改定新版 初級英語音声学』大修館書店
窪園晴夫(著)『音声学・音韻論』くろしお出版
[形態論]
窪薗晴夫『新語はこうして作られる』(岩波書店、2002、ISBN: 4000068210)
竝木崇康(なみきたかやす)『語形成(新英文法選書2)』(大修館書店、1985)
伊藤 たかね、杉岡 洋子『語の仕組みと語形成(英語学モノグラフシリーズ)』(研究社、2002、ISBN: 4327257168)
竝木 崇康(著)『単語の構造の秘密―日英語の造語法を探る』開拓社
[統語論]
町田 健『生成文法がわかる本』(研究社、2000、ISBN: 4327376809)
福井直樹『自然科学としての言語学−生成文法とは何か』(大修館書店、2001、ISBN: 4-469-21265-2)
今井邦彦(編)『英語変形文法(英語学コース3)』(大修館書店、1985)
[意味論]
池上嘉彦『英語の感覚・日本語の感覚』(NHKブックス1066)』(日本放送出版協会、2006)
池上嘉彦『英語の意味(テイクオフ英語学シリーズ 3)』(大修館書店、1996年、ISBN 4469141372)
池上嘉彦『意味の世界(NHKブックス330)』(日本放送出版協会、1978)
池上嘉彦(編)『意味論・文体論(英語学コース4)』(大修館書店、1985)
鈴木孝夫(著)『ことばと文化(岩波新書 青版 858)』(岩波書店、1973、ISBN: 4004120985)
今井邦彦、西山佑司(著)『ことばの意味とはなんだろう:意味論と語用論の役割』岩波書店
[語用論]
ジェニー・トマス(著)浅羽亮一(監修)『語用論入門――話し手と聞き手の相互交渉が生み出す意味』(研究社、1998、 ISBN: 4327401188)
ジョージ・ユール(著) 高司正夫(訳)『ことばと発話状況−語用論への招待−』(リーベル出版、2000、ISBN: 4897985919)
山梨正明『発話行為(新英文法選書12)』(大修館書店、1985)
Levinson, Stephen C. (著)安井 稔 (翻訳), 奥田 夏子 (翻訳)『 英語語用論』研究社出版
ジェフリー・N. リーチ (著) 池上 嘉彦 (翻訳), 河上 誓作 (翻訳)『語用論』 紀伊国屋書店
Brown, Penelope & S. C. Levinson (著) Politeness: Some Universals in
Language Usage (Studies in Interactional Sociolinguistics, 4) Cambridge
Univ Press [訳本] 『ポライトネス 言語使用における、ある普遍現象』ペネロピ・ブラウン (著), スティーヴン・C・レヴィンソン
(著), 田中 典子 (監修, 翻訳)
Leech, Geoffrey (著 ) The Pragmatics of Politeness (Oxford Studies in Sociolinguistics)Oxford
University Press [訳本]ジェフリー・リーチ (著) 田中典子ほか(翻訳) 『ポライトネスの語用論』研究社
[社会言語学]
ロナウド・ウォードハウ(著)田部滋、本名信行(監訳)『社会言語学入門』上・下(リーベル出版)
田中春美、田中幸子(編著)『社会言語学への招待』ミネルヴァ書房
東祥照二(著)『社会言語学入門−生きた言葉のおもしろさにせまる』研究者出版
中尾俊夫、日比谷潤子、服部範子(著)『社会言語学概論:日本語と英語の例で学ぶ社会言語学』くろしお出版
日比谷潤子(編著)『はじめて学ぶ社会言語学』ミネルヴァ書房
ヤムナ・カチュルー、ラリー・E. スミス(著)井上逸兵ほか(訳)『世界の英語と社会言語学』
[応用言語学]
ロッド・エリス(著)牧野高吉(訳)『第2言語習得のメカニズム(ちくま学芸文庫)』(筑摩書房、2003、ISBN: 4480087583)
レスリー・M. ビービ (編)卯城祐司・佐久間 康之・島岡 丘(訳)『第二言語習得の研究―5つの視点から』(大修館書店、1998、ISBN:
4469244287)
大喜多 喜夫 (著)『英語教員のための応用言語学』 昭和堂
コリン ベーカー (著), 岡 秀夫 (翻訳) 『バイリンガル教育と第二言語習得』大修館書店
山内 進 (著) 『言語教育学入門―応用言語学を言語教育に活かす 』大修館書店
<ブックレポートリスト>
ブックレポートリスト (書き方などはMoodleに掲示)