入れ替えリフティング・ウェーブレットを用いたポリゴンメッシュデータの圧縮

 ポリゴンメッシュデータ(連結情報、幾何情報)を2次元構造化したデータは、代表ノード、拡張ノード、外部ノードからなり任意形状となる。我々はこの構造化データに対してリフティング・ウェーブレットを用いて圧縮する研究を行っている。

図1 "bunny"の構造化結果の一部

 図1は"bunny"を構造化した時のデータの一部を示している。白が代表ノード、灰色が拡張ノード、黒が外部ノードを示している。
 構造化幾何データに含まれる拡張ノードにはデータが定義されていない。そこでウェーブレット分解によって得られる低周波側の係数に値を持つ代表ノード、高周波側の係数に値を持たない拡張ノードが多く含まれるようにすれば多重解像度解析した時に効率的であると考えられる。隣接する偶数および奇数位置の成分に対して、偶数成分に拡張ノード、奇数成分に代表ノードがある場合にはそれぞれの成分を入れ替える処理を施している。図2は従来の任意形状データに対するウェーブレット変換であるSA-DWT(Shape-Adaptive Discrete Wavelet Transform)と提案法との比較を示している。提案法の最低周波数成分(LL)に多くの代表ノードが集まっていることが確認できる。

図2.提案法と従来のウェーブレット変換の比較
(a)従来のウェーブレット変換   (b)入れ替えリフティング・ウェーブレット変換




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