徒然物草(2008年5月)
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「薬師寺展」に行ってきた。
日光・月光菩薩そろってお出まし、というので、これは絶対見逃せない、
と思っていたが、週末は絶対混んでいるだろうし、
会期最終週(6/6まで)になるとやはり混むだろうし、
となると平日で行けるのは今日くらいしかない。
幸い雨だしそんなに混んでないだろう、と読んで行ったらさにあらず。
上野駅で既に「雨の中で50分待ち」という案内が。ひょえぇ。
仕方ないので傘差して待つ。実際には30分くらいで入れたが。
御本尊の薬師如来像以外は全部来ているんじゃないか、と思えるくらい展示は充実。
日光・月光菩薩像、聖観音菩薩像はガラスケース越しでなく直接、
しかもぐるりと周りから拝見できるという、
普段薬師寺に参っても見られないような大サービス。
待った甲斐は充分にあった。つうか見逃す手はない。
これから行っても1時間待ちは覚悟しないといけなかろうけどね。(2008-05-29)
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大相撲五月場所千秋楽。(2008-05-25)
- 両横綱が怪我などで終盤不調だったのが残念。
千秋楽結びの一番はそういうイライラが出たんでしょうけど。
TVで見てて一瞬本当に始まっちゃうんじゃないかと思った。
あの場合、朝青龍の方は残されたことを想定して二の矢の攻めを用意しているので、
相撲の流れでしょう。悪質な駄目押しという感じではない。
白鵬が意識し過ぎの反応かな。とは言え、それを了解した上で、
双方に注意してそれを両横綱が受入れる、というのを全力士に見せた方が良い。
本来は理事長がその判断をすべきだったが、
今回は横綱審議委員会が良い注意をした。
とにかく怪我を直して来場所の捲返しに期待。
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と言う訳で本来なら残念場所になってもおかしくなかった場所を
俄然盛り上げたのが琴欧洲。初優勝おめでとう。
怪我で長らく精彩を欠いていたが、カド番の場所で開き直ったか、
怪我の状態が良くなったか、大関昇進の頃のような勢いのある体を活かした相撲に、
腰の構え・膝の備えが加わり、一段と安定感も増した。
今場所は相撲内容も良く立派な優勝であった。
ただこれで来場所が綱取りと囃し立てるのは如何か。
以前からも優勝争いに頻繁に絡むような実績があって
次の横綱と目されてきたならともかく、
大関昇進後は二桁勝利もままならない星を続けてきただけに、
今場所・来場所の2場所だけで見て良いのか疑問である。
少なくとも今場所のような内容の伴った14勝以上の優勝でないと、
話題には登ってこないだろう。
この点は理事長・審判部長とも慎重な発言をしており、適切と思われる。
とにかく優勝争いで両横綱に対抗できる力士が出てきたのは楽しみで、
来場所に期待。
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稀勢の里が小結で10勝。初日に朝青龍に勝った相撲は文句なし。
左差しを狙う立合いの型が出来たのが大きい。
これで立合いを固めて磨いてゆけば良いだろう。
ただ、場所中も解説の親方からも指摘されていたが、張り差しは止めた方が良い。
立合いに一手遅れて腰が伸びるだけで良いことはない。
張り差しは本来相手の出足を牽制する手であって、
印象としてはむしろ猫だましにも近い手である。
両横綱が多用するので最近は真似する力士が増えているが、良い手ではない。
横綱は力士の模範でなければいけない、相撲の内容も問われる、
というのは、こんな所にも理由がある。
両横綱はそんな手を使わなくても充分強いのだから、
張り差しを控えるように親方が注意した方が良いのではないか。
さて、小結で10勝なら通常は当然関脇昇進であるが、
両関脇ともに勝越しで、
最近は異常なまでに張出(3人目以降)を作らない番付編成なので、
どうなるかわからない。
関脇と小結とでは取組編成上で上位陣との対戦順などに違いがある。
上位陣との対戦は、小結は序盤に、関脇は中盤以降に組まれることが多く、
上位陣は終盤に向けて調子を上げてくることが多いので、
小結で上位陣に勝つのと、関脇で上位陣に勝つのとでは、意味合いが違ってくる。
優勝争いが煮詰まってきた段階で対戦する関脇での勝星の方が価値があるのである。
大関昇進の星勘定で関脇での星が評価される理由はここにある。
小結に留め置かれると大関昇進に関しては星1つくらい損をする感じ
(関脇3場所で33勝が基準なら、小結1場所関脇2場所なら34勝、という感じ)。
今後の相撲興行を盛上げていくためにも、3人目の関脇昇進を期待する。
先場所も書いたが三役に値する力士がこんなに沢山いる時代は
今までになかったのだから。
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All Sophians' Festival 2008。
理工学部新体制ということで
未来の理工学部誕生
と題した企画を出展している。
数学分野でも何か、ということで、
当初はオープンキャンパスの体験授業のようなものを想定して
「やります」と返事はしたものの、
実行委員の方々との事前打合せで
「イベントの性格から考えて60分講演は長いので20〜30分程度で」
「子供連れの校友が多いので子供でも楽しめるように」
という、我々には中々難しい注文が。
とにかくミニ講座のネタは考えることにして、
合間にはコミカレでやったような図形のグラフィックスを
PCプロジェクタでスクリーンに映しておけば良かろう、
と思っていたら、更に「絵は動いていないと目を惹きませんよ」と言われる。
そりゃそうか。外からの視点を伺うと参考になる。普段聞く機会がないからね。
幸い簡単にFlash動画を作れるプログラムがあるので、
それでKSEGによる楕円の作図の動画を作る。コミカレでも使えるし。
ミニ講座のネタは「立方体パズルの数理〜公式の出来るまで・公式を作るまで〜」。
所謂ルービックキューブTMですな。
一夜漬けで準備をして当日は朝から生憎の雨。
女子中学生の2人連れが来たので、KSEGで三角形の外接円とか内接円とか描いて遊ぶ。
もう暫くして家族連れなど人が増えたので、ミニ講座開始。
2×2×2のルービックキューブを使って、
回転操作による置換を追いかけて公式を見つけよう、という内容。
何回か繰返したり交換子を取ったりすると時々特定の場所だけ入替わる
(単位元に近くなる)ということで、
群論的に言えば「部分群位相を体感しよう」とも言えるので、
奥は深いのだけれど。
小キューブに番号を振って操作を置換で表すと、
実際に動かさなくても操作の合成結果を計算できる、
という所で既に感心された。一般向けだとこの辺からで良いのか。
ルービックキューブは買ってはみたものの難しくて投げ出した
(けど出来るようになれたらいいな)という人が多いようなので、
そういう人には受けるようで、ネタとしては当たりでしたね。
「家に帰ってやってみよう」と言ってくれた人がいたのが嬉しかった。
今後も何処かで使えるな、このネタ。(2008-05-25)
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