徒然物草(2011年7月)
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大節電時代一ヶ月経過。
大学では授業期間も終わって節電対策も一段落。
家でもここ一週間程の涼しさで冷房なしで過ごせて問題なし。
とは言え節電には引き続き心掛け中。
事故や無計画の尻拭いで節電させられると思うと腹立たしいが、
不要な電気を買わずに済ます不買運動だと思えば腹も立たない。
今まで要らない電気まで買って使ってたのを見直すということですね。
要る電気まで無理して買わない必要はない。無理はいけません。
本当は要る電気を他から買えると良いのだが。
独占を保証されて何が民間会社かね。(2011-07-31)
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オープンキャンパス。
昨年に続いて体験授業。
今年は違う人の方が良いかなと思って最初は手を挙げなかったのだが、
手を挙げる人がいないというので話すことにしたら、
今度は昨年と殆ど同じメンバーが手を挙げるという、何ともありがちな話。
他にも数学の人が話すので、今年はちょっと情報っぽく
「有限の算術と秘密分散の数理技術」。
理工学部1年次の「理工学概論II」の輪講で話しているネタで、
実習を交えて授業しているのを、ここでやってみよう、と。
配布プリントと謎の配布物を100部用意したが、
何と配布プリントがすっかり捌けて、
座って聴いてくれた人だけでも80人以上の大盛況。
PCプロジェクタで粗筋を押さえながら、黒板で適宜補足する形式。
みなさん熱心に聴いてくれて気分良く話す。
実習の進行は聴衆次第なので少々心配だったが、
こちらも熱心に取り組んでくれた。
「理工学概論II」の授業での実習では、
有限体での(素数を法としての)割算が解り難いようだったが、
乗積表を参照して求めるということで、
黒板で例を計算しながら一緒にやってもらったのが良かったようだ。
そこで質問をしてくれた人もいたので、更に良い感じに。
いやぁ、かなりうまく行ったようです。
これで数理系志望の新入生が沢山来てくれるといいなぁ。
(2011-07-24)
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大相撲七月場所千秋楽。大きな新陳代謝があって、熱戦が続き、
今場所の観客は少なくても、これからに繋がる相撲内容であった。(2011-07-24)
- 横綱白鵬は終盤崩れて12勝3敗で8連覇ならず。流石に緊張が緩んだか。
- 日馬富士が白鵬にも勝って14勝1敗で2度目の優勝。あっぱれ。
しかしながら、これですぐ来場所綱取りと騒ぎ立てるのは如何なものか。
まず優勝争いに毎場所のように絡むという状態あるいは実績があって、
その上で2場所連続優勝またはそれに準ずる成績が横綱推挙の目安と考えるべき。
来場所が全勝優勝ならともかく、13勝の優勝くらいではどうかな、と。
もっとも、2場所連続優勝を厳格に運用する必要はないと考えるので、
優勝でなくても13勝以上で千秋楽まで優勝争いに絡むようなら、
その次の場所に繋がるだろう。
優勝という精神的な重圧に克つ、というのも重要なことだが、
優勝という相対的な表彰項目を横綱推挙という絶対的な判断に
過度に絡めたくないのだ。
- 他の2大関は、まぁこんなもんですかね。
- 琴奨菊は12勝で大関昇進と言われていたが、
横綱白鵬に勝つ殊勲の星はあったものの、重圧からか終盤に平幕に連敗し11勝。
星1つの勘定をどうこう言うつもりはないが、
精神的な強さ、心技体の「心」を問われる上では印象が悪く、
昇進見送りはやむを得ないか。
とは言え、
関脇3場所で11勝→10勝→11勝は大関に昇進してもおかしくない立派な成績で、
来場所に引続き期待が掛かる。
直前3場所で33勝を目安とすれば今場所と同じ12勝が目標だが、
1場所実績が増えた分、11勝で直前4場所連続二桁の43勝でも充分だろう。
- 稀勢の里も前半もたついたものの、
千秋楽に日馬富士の全勝優勝を阻む白星で存在感を見せ、二桁勝利。
こちらも関脇3場所で10勝→8勝→10勝と着実に実績を積んで、
来場所後の大関昇進は14勝以上の優勝でもないと難しいが、
大関への足固めとして、来場所も二桁勝利でその次の場所に繋げてもらいたい。
- 鶴竜も二桁勝利の10勝。3関脇が二桁勝利とは56年振り
(1955年三月場所の大内山・若ノ花・松登以来)とのこと。
ここ3場所で8勝(小結)→12勝(小結)→10勝、
小結での星を少し割り引いても琴奨菊と同様に12勝なら充分大関昇進の星勘定。
「関脇が強い場所は面白い」という言葉通りの場所を、
来場所もまた見せてもらいたい。
- 幕内上位では隠岐の海のスケールの大きな相撲が目を引いた。
自己最高位での勝越しは立派。抜擢組では高安・栃乃若・富士東らが活躍。
今後が楽しみ。十枚目ではチェコ出身の隆の山に新入幕の可能性あり。
細身だが足腰が良く、栃若時代のような相撲で、入幕すれば注目されるだろう。
- そして幕下優勝の直江が新十両確実。
早大出身の関取は笠置山以来78年振りとか。
笠置山の時は、早稲田から大応援団が旧両国国技館に詰めかけたそうな。
それくらいになるように奮闘してもらいたい。
(追記: 新十両を果たして四股名を皇風(きみかぜ)と改める。(2011-07-27))
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数学教室の談話会講演。
暫く途絶えていた談話会だが、学科再編の大嵐も一段落し、
そろそろ態勢を建て直して反撃へ、という訳で、
今年度から定期的な開催を再開。
取り敢えず今年は半期に2回のペースでも、
まづは内部のスタッフで確実に続けることを大切に、という方針。
5月には歓迎会も兼ねて新任の加藤剛さん。
(早稲田の学部の同期生で同じ時期に一緒に助手を務めていたこともあったが、
縁あって再び同僚になった。わからないもんだ。)
次は、ってんで、着任以来談話会講演をしていなかった自分に御鉢が回ってきた。
着任した頃には談話会は定期的に行われていたのだが、
偶々その時に外部からのゲストの講演の予定が建て込んでいて、
談話会講演が回ってきていなかったのであった。
「複比型Noether問題とその周辺」と題して講演。
全分野の人がいるので、
Galoisの逆問題・構成問題という背景や、
その有力な手法としてのNoether問題の紹介を前半に。
自分の所属の数学教室の談話会なので、
教室員としての活動である今までの何人かの修論指導の成果を含めて、
後半に幾つかの結果を紹介。
後半は走り気味で解り難かったかもしれないが、
少々盛り沢山になっても、修論の結果は入れてあげたかった。
講演でも名前を挙げた昔の修了生が一人来てくれて、
色々とコメントをしてくれて嬉しかった。
修論指導に関してはみんな色々と悩んでいる所ではあるので、
教室の談話会としては良い話題提供が出来たのではないかと自画自賛。
実験系だと研究プロジェクトの実験に加わらせて修論指導にする、
というような形で自分の研究と修論指導とを結び付け易いのだろうが、
数学分野だと自分の研究と修論指導とを結び付けるのは一般には難しい。
うちの分野は計算ネタがあって修論指導がやり易い方なので、
ビジネスモデルとしては数学の実験系研究室を目指して、
一応幾つか成果が挙がってます、という所を紹介できたかな、と思う。
終了後は教員の春学期打ち上げ懇親会。(2011-07-15)
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大相撲七月場所初日。本場所は二ヶ月ぶりだが、相撲興行は半年ぶり。
半年ぶりの懸賞金は永谷園から高見盛へ。
歴代最多勝更新が目前の魁皇は初日黒星。状態が相当悪そうだが大丈夫か。
初日は客の入りは悪かったようだが、
良い相撲を見せればどんどん盛り上がって観る人も増えるだろう。
抜擢された若手の活きの良い相撲に期待。(2011-07-10)
魁皇は心配通り初日から3連敗したが、4日目5日目と連勝し、
遂に歴代最多勝記録更新の1046勝。
横綱に推挙されていたら引退も早くて達成できなかったであろう記録ではあるが、
とにかく凄い記録には間違いない。
体の管理の意識と技術とが進んで、他のスポーツでも現役年齢が延びているが、
もっとも激しい競技と言われる相撲で、上位で取り続けていること自体が、
立派である。素晴らしい。(2011-07-14)
魁皇、遂に引退。
カド番の場所で大関陥落が決まって引退するのかと思っていたので、
いきなり引退と聞いて驚いたが、
もう何年もの間、いつ引退してもおかしくない状態だったのも確かである。
歴代最多勝記録更新の期待が大きいうちはやめられなかったのだろう。
お疲れさま以外の言葉がない。
名大関というには余りにも存在が大きい。歴史に残る大大関であった。(2011-07-20)
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大節電時代到来。(2011-07-01)
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