計算機数学・講義内容と予定


春学期・月曜2時限・2-B212教室6-503教室(変更になりました)


講義概要

「この問題は計算機でも計算できないなぁ」 「君は実に…計算が下手なんだなぁ」 「そうじゃなくて計算できないことが証明できるんだよ」 「え?どゆこと?」

「計算」とは何か、「計算できるか/できないか」というような問いに対して、 数学では、「計算機が行なうこと」を「計算」と考え、 計算機が行なえることを「計算モデル」として定式化することによって 「計算」を定義し、明確に答えることを可能にしてきた。 本講義では、代表的な計算モデルを取り上げながら、 計算の理論・アルゴリズムの概念・計算量の理論の初歩を紹介し、 計算の可能性・効率について論ずると共に、 具体的な例として幾つかの基礎的な数理アルゴリズムについて触れる。

講義計画

計算の理論の入門として、計算モデルによる「計算」の定式化・ 計算可能性の理論・計算量の理論の初歩を紹介し、 幾つかの基礎的な数理アルゴリズムについても触れる。

主な参考書

近年出版された次の冒険小説も、本講義の受講者には楽しく読めるだろう。

事前準備など

講義内容

第1回:4/18

計算の理論入門まで。有限オートマトン(状態遷移図・形式的定義)。 語・言語。

第2回:4/25

計算の理論入門まで。有限オートマトン。 語・言語の演算。正規言語・正規表現。 集合・写像などの言葉を用いた概念記述の練習。

第3回:5/02

集合・写像などの言葉を用いた概念記述の練習。 非決定性有限オートマトン。 正規言語⇔非決定性有限オートマトンで認識可能⇔決定性有限オートマトンで認識可能。 模式的な状態遷移図で表わしたことを形式的な5つ組の言葉で書き下す。

第4回:5/09

計算の理論入門まで。 非決定性有限オートマトン。 正規言語⇔非決定性有限オートマトンで認識可能⇔決定性有限オートマトンで認識可能((続き)。 一般化された非決定性有限オートマトン。

第5回:5/16(予定)

計算の理論入門まで。 正規言語⇔非決定性有限オートマトンで認識可能⇔決定性有限オートマトンで認識可能((続き)。 有限オートマトンによる計算可能性。 有限オートマトンで認識できる言語の特徴づけ ("待ち"の種類が有限)。 有限オートマトンで認識できない言語の例。