等周問題
長さが同じ紐で囲める最大の面積とその形を求める。結果はもちろん「円」になります。
紐の長さを定数L0、紐の形を表す関数をf(x)、とします。
すると、
ですから、束縛条件は、L[f]-L0=0です。よって、ラグランジュの
未定乗数法により、もうひとつの定数λを導入して、新しい関数
G[f,λ]=F[f]-λ·{L[f]-L0}
が極値を取るような関数f(x)とλを探せばよいのです。
これは、Gについて変分を取って(計算は微分と全く同じ)、
δG=δ∫dx·{f+λ·√(1+f'^2)}
=∫dx·{δf+λf'δf'/sqr(1+f'^2)}
となります。L0とλは定数です。記号^はベキ乗を表します。
次に、δf''(x)を消去するために部分積分して、
=∫dx·{δf-λf"δf/√(1+f'^2)+λf'^2f"δf/√(1+f'^2)^3}
=∫dx·δf·{1-λf"/√(1+f'^2)+λf'^2f"/√(1+f'^2)^3}
を得ます。これが任意のδf(x)についてゼロにならなければなりませんから、
{····}の中身がゼロになるはずです。よって、
0=[√(1+f'^2)^3-λf"·(1+f'^2)+λ·f'^2·f"]/√(1+f'^2)^3
=√(1+f'^2)^3-λ·f"
という微分方程式を得ます。これは一階の微分方程式(f'とf"しかないので
実質的に一階)ですから、簡単に変数分離で解くことが出来るのですが、結果が
円になることを知っているのですから、それを代入してみることにします。
まず、円の形は f=√(1-x^2)で、これを微分すれば、
f'=-x/sqr(1-x^2)
∴1+f'^2=1+x^2/(1-x^2)=1/(1-x^2)
f"=-1/√(1-x^2)-x^2/√(1-x^2)^3
=-[1-x^2+x^2]/√(1-x^2)^3
=-1/√(1-x^2)^3
となりますから、これらを代入すれば、
√(1+f'^2)^3-λ·f"=√(1/(1-x^2))^3-λ·(-1/√(1-x^2)^3)
=1/√(1-x^2)^3+λ/√(1-x^2)^3
となり、λ=-1と置けば確かにゼロになります。