高速鉄道運動解析チームでは、私達の専門とするCAE(Computer Aided Engineering)の動解析の一種であるマルチボディダイナミクスの手法を用いて、車両運動を解析する精度の高い数値シミュレーションの実現を目指しています。鉄道車両において考慮すべき運動は、車両、レール・車輪接触幾何、駆動・制動時挙動、曲線走行、脱線・転覆、レール・車輪間接触剛性、レール弾性、軌道柔軟性、摩耗損傷など多岐にわたり、簡易モデルにより解析することは困難です。
これらの問題では、的確なモデリング、定式化および数値解析により、鉄道車両の非線形かつ非定常な運動を定量的に評価することが可能になります。具体的な例としては、走行している鉄道車両の台車や車輪・レールの運動や振動を車輪やレールの形状、軌道の柔軟性などを考慮に入れて解析します。
高精度の数値シミュレーションを実現するには、車輪・レールの複雑な形状や、レールの柔軟性、レール・車輪間に発生する力、レールが支持される地面から受ける力、多点接触による影響等を考慮する必要があります。これらを実現するため、FEM(Finite Element Method)、弾性接触理論、Creep-Force Theory等の理論を用いています。そして、数値シミュレーション結果と実験結果を照らし合わせ精度の確認を行っています。
車両解析モデル