本チームでは主にレールに発生する波状摩耗を対象とした研究を行っています。レール波状摩耗とは下図のようにレール頭部が波状に摩耗してしまう現象で、主に急曲線で発生します。この摩耗が発生したレール上を車両が通過すると振動が発生し、騒音、乗り心地低下や、機械部品の短命化などにつながるため、レール研削の頻度を高めたり、頻繁に発生する箇所に塗油などの対策をしていますが、コストが掛かるため、対策が望まれています。しかし、波状摩耗の発生、進展メカニズムは根本的な解明はいまだに出来ていないのが現状です。
そこで本チームでは、数値シミュレーション、実験、現地調査の3本柱でこの問題に取り組んでいます。数値シミュレーションは、独自に開発したプログラムおよび汎用マルチボディダイナミクスソフト「Simpack」を用いて運動解析を行い、実験では1/10スケールの車両を繰り返し通過させて波状摩耗を発生させ、その進展の様子を計測します。実験および数値シミュレーションから得られた結果と現地調査の結果を総合的に評価し、メカニズムの解明を行います。
図1 波状摩耗
図2 周回型実験機