徒然物草(2011年3月)
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電気は暗いが日本は元気だ。
早くも灯りの暗さに馴れ始めている感じ。
元々こんなもんで充分だったんじゃないか。
一部の人が気付かれたくなかったようなことに、
みんな気付いちゃったんじゃないかな。
(2011-03-31)
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例年より遅れ気味だが、それでも今年も土手の桜は綻び、新年度を迎える。
(2011-03-31)
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卒業式典のない卒業証書授与。何はともあれ卒業おめでとう。
大変な事態を抱えた世の中に出ていくことになる。
後方の後方のそのまた後方支援のような役回りにいる我々よりも
少なくとも何歩も前で、この世の中に関わっていくことになる。
我々は直接何か出来ることは少ない。
送り出した学生達がそれぞれの場で活躍していくことを信じるのみである。
招待されていた謝恩会は予定通り開催され、
その場は例年同様に卒業を喜び讃える会であったが、
流石に二次会という雰囲気ではなく、
一次会の残金など例年は二次会に使うお金を、
義援金として日本赤十字社に寄付する提案があり満場の拍手で承認された。
少し落ち着いた頃に改めて集まってお祝いの会をして、
経済効果の埋合せをしないといけない。(2011-03-23)
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ちょっと思い出したので、以前(わぁ、もう一回り昔だ)MSRIに行った時の滞在記から、
San Francisco Bayにあった
「湾に化学物質があるからここで釣ったものは月に2回までしか食べるな」
という掲示の話。
良くも悪しくも自分のことは自分で守るお国柄、ということでしょうが、
今の日本で必要なのはこういうことではなかろうか。
とにかく情報を全部出す、それに基づいて冷静に判断する。
自分の判断には自信と覚悟と、
それから間違いだったと判ったときにすぐに改める姿勢とを持つ。
一人一人がそうしたときに日本の「平均値の高さ」が活きると思う。
(2011-03-24)
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不思議なもので、人間誰でも活躍の機会というのは巡ってくるものです。
今こそ総理大臣には福島の牛乳を飲み茨城のホウレンソウを食べてもらいたい。
風評被害は人災です。
というか、
様々な安全基準は平常時の基準であって、
ものすごーーく安全側に振ってある基準であることを理解せよ。
これだけの事故が起こってしまった現在は既に平常時じゃないので、
その平常時基準を求める方が無意味。
どんだけ無菌ぬくぬくを求める気なのか。
また、報道された検出値はたぶん沢山計った中の最大値であって、
統計的には平均値はもっと低いんじゃないかな。
その辺も含めて正確な情報を出すことによって、過剰反応を防ぐべき。
店頭撤去を始めたという大手スーパーも同罪。あんたがたが煽っているんだよ。
(2011-03-20)
東京の水道水も飲んでね。(2011-03-24)
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絶賛自宅警備中。(2011-03-17)
- 買い溜め・買い占めによる品不足は人災です。
誰かが買い始めて品薄になると、次の人も買い溜めたくなって、
事態の悪化が加速してしまう。これでは共犯者である。
落ち着け、落ち着け。商品の絶対量はあるはず。
- 住まいのある杉並区は、
群馬県南相馬市と災害時相互援助協定を結んでいて、
見舞金を送る他、既に援助物資を届け、区職員も現地入りして支援を指揮、
また、友好自治体協定を結んでいる群馬県東吾妻町の保養施設への
被災された方々の避難、更に区内への受け入れ、など、
具体的に着々と支援が進んでいるようです。
四川大地震の復興の時もこのような一対一の対口支援が有効だったそうですが、
小さい単位で相手がはっきりと見える支援だからこそ、
すべきこと出来ることもはっきりして、機動的に動き易い仕組みと思います。
今回はこのような仕組みがまさに有効に効果的に機能し始めているようです。
義援金には応じていますが、その他にも何か出来ることがあるかもしれない、
と思うだけでも、滅入りがちな気持ちが少し晴れます。
- 様々な情報が各機関によって発表されています。
特に、放射線量について、各地点での継続的な測定結果を見ると、
風向きにも依るんでしょうが、
都内では、3/15(火)の朝に一時的に測定値が上がった後に元に戻り、
3/17(木)には通常の倍以下に収まっているようで、
何ら不安のない値と考えられます。
(これらの測定は民間でも機材さえあれば出来るものなので、
情報の隠蔽はないと考えられます。)
正しい情報に基づき冷静に判断して、過剰反応をしないようにしましょう。
- あれだけ発電所がやられると、電力不足は如何ともし難い。
節電を心掛けることで、不測の大規模停電の防止・輪番停電の回避に努めましょう。
こればっかりは暫く仕方なさそうだけど、
暖かくなれば暖房需要が減って楽になるかな、
また、需要ピークをずらすだけでも随分違う筈。
- 特に病院の停電は影響が大きく、命に係わります。
病院関係者が強く停電回避を訴えています。
我々の節電で回避できるなら、不便も安いものです。
とはいえ体調の悪い方は無理せず暖房を使ってください。本末転倒はいけません。
元気な者はここでじっと辛抱。
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日本数学会年会および関連イベントは中止です。
詳しくは日本数学会ウェブサイトへ。
(2011-03-14)
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地震後初出勤。(2011-03-14)
- 地震当時は新宿南口の紀伊國屋書店5階理工書売り場で買い物中。
丁度領収書を書いてもらっている所で、
揺れてる最中は支払カウンターに掴まって震えてました。
はじめは「大きい地震だな」と思ってる位だったが、
普通ならそろそろ収まりそうな時間が経っても収まらずに、
一段と強い揺れになったので「どうなるんだ、これ」と、そこから怖くなった。
館内には
「この建物は安全ですので落ち着いてください」
「本棚からは離れてください」
というアナウンスが流れ、
店内の人は慌てず騒がず揺れが収まるのをじっと待つ。
収まった後、新宿駅周辺で暫し情報収集。
電車は復旧しないとみて、阿佐谷の自宅まで徒歩帰宅。1時間半弱。
大通りなので歩いて帰る人は大勢いたが、押合いや行列という程ではない。
この時は、ここまでの震災と思っていなかったからかも知れないが、
とにかく、みんな冷静で落ち着いていた印象が強い。
- で、土日は自宅警備に専念し、今日初出勤。
当然のオフピーク通勤。
丸ノ内線が40%の運行ながら普段程度の混雑で、混乱なく職場に到着。
研究室は、てっきり本棚が倒れていると思ったが無事で、
机の上に出してあった紙類や本が飛んだ程度。
今まで足の踏み場もないような状態だったのが、
足の踏み場もない状態になっただけで済みました。
本棚は本が一杯なので重くて動かなかったのか。本棚から飛んだ本はなし。
揺れの方向が本棚の左右方向だったので助かったようだ。
数学図書室で本が大散乱ということなので救援に。6〜7名くらいでの作業。
本棚は天井にもしっかり止まっているので倒れていないが、
天井近くまである本棚から本が落ちて、
通路によっては膝くらいまで積み上がっている状態。
整理しやすい製本雑誌は所定の場所に戻し、
順番が難しい単行書籍は取り敢えず仮積みして通路を開ける。
「こんな時でも本を踏む気にはなれない」とは同僚の談。全く同感。
思ったより作業が捗ったが、散乱しているのが本だったからかもしれない。
取り急ぎ職場ですべき作業は終わったので、数日間の自宅警備宣言をして帰宅。
必要な連絡はネット上で出来るので、
こういう事態で直接役に立てない我々のような者は、
極力邪魔をしないのが数少ない貢献だろう。暫く通勤しません。宜しく。
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