徒然物草(2011年10〜12月)
-
「第10回北陸数論研究集会」で金沢へ。
最長9億桁に及ぶ整数計算の話は圧巻。
シェルスクリプトを使ってOSのプロセス管理機能を活かす、
という話は、考えてみれば適正な考え方だが、目から鱗だった。
他にも、
生成的多項式が或る種の代数体の構成や類数の可除性の問題に役立っている例など、
自分のやっているような研究が利用される所も見られて、励みになった。
そして、酒と魚が旨い。
(2011-12-27)
-
書くと言っていて書いていなかったので、番付発表を機に大関昇進基準について。
近年は「直前3場所で33勝以上」と言われているが、
そういう決まりはないのであって、実力実績ともに大関に値すれば良い。
むしろ「優勝を争うような実績を持った上で関脇で3場所連続二桁勝利」
くらいが妥当な所で、直前3場所で33勝以上の例が続いたのは偶々と考えた方が良い。
過去に関脇に長く留まった力士の例を見ると(以下、地位が書いていないのは関脇)、
しばしば最強関脇の話題で名前が出る長谷川の例では、
8勝→10勝→12勝(優勝)(→8勝)は当時の相場では昇進もあり得たようだが見送り。
また、魁皇は関脇が長かったが、
連続関脇で8→8→9→9→11→9→10→9→11→10→9→11→6と、
絵に描いたように3場所連続の二桁は無しで良い所取り30勝まで、
但し6場所で60勝(というか8場所で80勝)というのは
大関昇進に充分とも考えられる凄い成績で、
その後の9(前頭1)→10(小結)→12では見送られたものの、
更にその後の8(小結)→14(小結・優勝)→11では連続二桁は2場所だが、
実績も併せて充分と評価された模様
(結局大関昇進前に3場所連続二桁勝利はない)。
という訳で、
今回の稀勢の里の関脇での3場所連続二桁勝利で32勝での昇進は決して甘くなく、
その前にも三役での実績も長く、13勝で優勝次点の経験もある、
ということも考慮すれば、実力実績ともに充分であると考える。
しかし一方で厳しかった例もある。
近年で最も厳しかった例は雅山の2回目で、
1回目の昇進は12(小結)→11→11で堂々たる成績だが、
大関陥落後に10(小結)→14(優勝同点)→10→9で見送られたのは、
当時5大関がいて6大関の前例は無いとは言え気の毒だった。
また、琴奨菊が関脇3場所で11→10→11(→12で昇進)で見送られたのも、
今回の基準で考えれば厳しいものであった。
番付編成は年月と共に傾向が変化するので、
比較対象として直近の琴奨菊の例を取るのが妥当とするなら、
今回見送りでも不思議でなかったとは言える。
今回の特殊事情とすれば、場所直前に親方が亡くなったということで、
これがどれほど大変なことか、最も良く解っている親方衆が判断したのであるから、
それで良いのかもしれない。
また両者の違いは、琴奨菊が終盤で平幕に連敗して評価を落としたのに対し、
先場所の稀勢の里は平幕には1敗で上位陣に4敗ということだが、
上位に勝つのと取りこぼしがないのとでは優劣の判断が難しい。
この辺りの判断について、今までの大関昇進の際でも、
単純に「直前3場所で33勝以上」ではない、と協会が言っていれば良かったのだが、
ここ暫く偶々それが続いていたので、
言われるがままにしていたのが良くなかったのだろう。
もっとも実は偶々ではなかったという考え方もあり、
この稀勢の里の10勝の価値を理事長や審判部長が良く解っていて、
それで千秋楽の取組を待たずに理事会招集決定という判断になったのかもしれない、
と穿ち見ることも可能か。
とにかく、来場所の相撲を楽しみにしたい。(2012-12-21)
-
大相撲十一月場所千秋楽。今場所は余り中継を見られなかったので簡単に。
(2011-11-27)
- 場所前に元横綱隆の里の鳴戸親方の突然の訃報。
現役時代は贔屓の力士だった。
徹底した摂生で糖尿病を克服したこともさることながら、
横綱推挙直後の千代の富士に8連勝、
空前絶後の4場所連続千秋楽結び相星決戦にも3勝1敗と勝越し、
そのうちの一場所は15日制唯一の新横綱全勝優勝、と、
全盛期の千代の富士を徹底的に研究して、
短期間ながらも凌駕した唯一の力士であった。
速い相撲の千代の富士とは対照的に、右四つで左上手を取れば勝負あり、
後はじっくりと寄っていって負けない、古風だが本格的な横綱相撲であった。
稀に必敗の体勢から起死回生の首投げという隠し技もあったが。
引退後は親方として土俵の鬼の旧二子山部屋の伝統を継ぐ猛稽古で、
若の里・隆の若・稀勢の里の三関脇をはじめ多くの関取を育てた。
中でも稀勢の里が大関目前という場所前だっただけに衝撃だった。合掌。
- 終わってみれば横綱白鵬が全勝こそ逃したものの14勝1敗で21度目の優勝。強い。
- 新大関を待ち受けた3大関は、時折気を吐く相撲もあったものの、
相変わらず全体的に物足りない。奮起を。
- 新大関の琴奨菊は前半戦を全勝で勝越し、その後連敗して11勝。
前半の土俵を盛り上げた点を入れて、新大関としては一応及第点か。
- 大関昇進が掛かった場所となった稀勢の里。
連敗こそなかったが千秋楽の琴奨菊戦に敗れて10勝どまり。
先場所は下位に取りこぼさなかっただけに、前半に豪栄道に落とした星が痛い。
これで関脇5場所で10勝→8勝→10勝→12勝→10勝で直前3場所で32勝。
立派な星ではあるが、最近の傾向から見ると見送りで来場所11勝以上が目安か、
と思ったが、千秋楽を待たずに大関昇進内定の模様。
改めて別項に論ずるが、私見としては
「実力・実績ともに大関昇進には充分、しかしながら協会の対応は説明不足」
とする。いづれにせよこれからの相撲が大切。
把瑠都・琴奨菊との横綱先陣争いに大いに期待。
-
「ぼくらのよあけ」(講談社アフタヌーンKC)。
第2巻完結編発売。
第1巻を読んでから、
連載を読まずに楽しみにしていたので即買い。
物語が佳境に入っていくので地元萌えな部分は減っていくが、
それでも見覚えのある街の風景(設定は27年後なのだが)ににやりとしつつ。
ネタばれは避けますが面白かった。
(2011-11-23)
-
何となく一月以上空いてしまいました。
まぁこのサイトは日記じゃないので良くあることですが。
元気でしたので御心配なく。
(2011-11-23)
[最新の徒然物草
|書き物の目次
|日本語版玄関ページ
]