2009年度の講義概要




電子計算機概論I

コンピュータによる計算の原理を単純化したモデルで説明する。 数の表わし方・機械語・プログラム内蔵方式・論理回路・ 単純化されたコンピュータの内部などを話し、 コンピュータがどのように自動的に動き、どのように判断を行うかを説明する。 また、計算の理論・アルゴリズムの概念・計算量の理論の初歩を紹介し、 計算の可能性・効率について触れる。

主な参考書

数学B(微分積分)(物質生命理工学科1クラス)

一変数の場合を中心に、微分積分など数学に於ける解析的手法を扱う。 高校までの「等式の数学」で余り触れられない「不等式による評価」の話から始めて、 Taylor展開の理論を大きなテーマとし、 極限・収束・無限和・微分・積分・近似計算などを関連付けて講義したい。 また、化学の学習で必要な常微分方程式のうち、簡単なものの解法にも触れる。 高校までで学んだ知識も活用する一方、それらのより確かな基礎付けも与える。 問題演習や多くの例を通じて理論的な事項を実感すると共に、 将来出会う様々な実例に馴染んでもらいたい。

主な参考書

応用数学I・情報数学特論

情報をディジタル化して転送する際、如何に効率的に通信を行なうことができるか、 情報源符号化の基礎理論をまず紹介する。 次に通信途中で生じる誤りに正しく対処するための数理技術である 誤り訂正符号の基礎について解説する。 続いて情報化社会の安全を支える数理技術である 公開鍵暗号などの現代暗号論の基礎について概説を行なう。 代数幾何・整数論などの必要な予備知識についても適宜補いつつ講義を進める。

本講義は「応用数学I」(理工学部数学科)・ 「情報数学特論」(理工学研究科理工学専攻情報学領域)の合併講義である。

主な参考書

数学科教育法III(教職課程)

「十を知って一を教える」。 解法テクニックや知識断片の羅列・押付けに陥らない為には、 中学高校で学習する数学の内容をより高く広く深い立場から理解し、 数学全体での位置付けや他の事柄との関連を認識した上で、 その中の何を如何に教えるかを意識的に選択することが必要である。 アンケートや模擬授業を通じ、 具体的な授業の方法についても議論し、共に考える。

主な参考書

基礎生物・情報実験・演習(情報理工学科クラス)

理工学部の全学生を対象に、 基礎的な生物学および基礎的な情報学を習得させる事を目的とする。 生物実験では、様々な生き物に直接触れながら体の作りを調べ、 刺激に反応する様子を観察することにより、その働きを理解する。 また、DNAや酵素等を抽出・解析することにより、 生命現象の物質的基盤をより深く理解する。 情報演習では、プログラミングの基礎を学ぶ。 コンピュータを動かすには、処理内容をプログラムとして記述することが必要である。 演習では、変数・型・条件分岐・繰り返し・配列・関数などのプログラムの要素、 構造、処理の流れを、実際にプログラムを作成・実行して理解する。 プログラミング言語にはC言語を使う。

この中の情報演習(7回)を担当する。

情報リテラシー演習(学科合同クラス)

いわゆる「情報リテラシ」とは、しばしば「情報の読み書き能力」と言われるように、 (必ずしもコンピュータで扱う電子的な情報に限らない)「情報」に対して、 それを受信・処理・創出・発信する 総合的かつ基礎的な素養を意味する。 本授業では、本学の全学共通の必修科目として、 「情報」を扱う際の基本的な考え方を身に付け、 それを活用できるようになることを目標とする。 勿論、コンピュータを始めとする情報処理機器の操作を身に付けることも含むが、 単なるコンピュータ実習を目的とするものではないことを 注意しておく。 具体的には、演習を通じて、 コンピュータの基本操作・電子メール送受信・ウェブ閲覧 ・エディタやワープロによる文書作成・表ソフトの利用 ・文献検索・プレゼンテーション資料作成および実演 ・Webページ作成・ネットワーク社会でのマナー・倫理・著作権 などの基本項目を学ぶ。

理工学概論II(安全と倫理)

現代社会において、安全と倫理は重要な問題である。 特に技術開発やその利用を主な業務とする理工系の人間にとって、 これらに対する認識は非常に重要である。 本講義では、これらに対する基礎知識について輪講で講義する。

この中から、2回を担当し、 情報化社会での安全な情報通信を支える「暗号」の基本的な仕組み・ 活用(認証・署名など)・裏付けとなる基礎数理を紹介する。

代数7 (早稲田大学教育学部数学科/理学科数学専修・非常勤)

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Galois理論では、与えられた多項式に対して その分解体のGalois群を求めることが第一の問題となるが、 次には逆に、与えられた有限群に対してそれをGalois群に持つ 体拡大・多項式の存在や、実際にそれを求めることにも興味が向く。 このような「構成的Galois理論」について、予備知識の補足を交えながら、 幾つかの手法の初歩を講義する。 一般的な理論に乗る部分もあるが、実際には扱う体や有限群の個性が強く影響し、 一筋縄でいかない所がある。 古典的な方程式解法理論に深く関わる所もあり、 特に実例を多く扱うことで「計算する数学」の面白さを思い出してもらいたい。 受講生の理解度に合わせて、適宜進度を見直すことがある。

主な参考書


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