コンピュータによる計算の原理を単純化したモデルで説明する。 数の表わし方・機械語・プログラム内蔵方式・論理回路・ 単純化されたコンピュータの内部などを話し、 コンピュータがどのように自動的に動き、どのように判断を行うかを説明する。 また、計算の理論・アルゴリズムの概念・計算量の理論の初歩を紹介し、 計算の可能性・効率について触れる。
一変数の場合を中心に、微分積分など数学に於ける解析的手法を扱う。 高校までの「等式の数学」で余り触れられない「不等式による評価」の話から始めて、 Taylor展開の理論を大きなテーマとし、 極限・収束・無限和・微分・積分・近似計算などを関連付けて講義したい。 また、化学の学習で必要な常微分方程式のうち、簡単なものの解法にも触れる。 高校までで学んだ知識も活用する一方、それらのより確かな基礎付けも与える。 問題演習や多くの例を通じて理論的な事項を実感すると共に、 将来出会う様々な実例に馴染んでもらいたい。
本講義は「数学B(微分積分)」(物質生命理工学科1クラス)・ 「数学IN」(化学科)の合併講義である。
情報をディジタル化し、ネットワークを用いて転送、 さらに再生する場合に生じる誤りをどのようにすれば訂正する事ができるのか。 そのために考えられた誤り訂正符号についてまず解説する。 次にネットワークの巨大化に伴いますます重要となっている セキュリティ面からの要請で発展をしている公開鍵暗号などの現代暗号論について、 その概説を行う。 代数幾何・整数論などの必要な予備知識についても適宜補いつつ講義を進める。
本講義は「応用数学I」(理工学部数学科)・ 「応用数学特別講義I」(理工学研究科数学専攻)・ 「情報数学特論」(理工学研究科理工学専攻情報学領域)の合併講義である。
「十を知って一を教える」。 解法テクニックや知識断片の羅列・押付けに陥らない為には、 中学高校で学習する数学の内容をより高く広く深い立場から理解し、 数学全体での位置付けや他の事柄との関連を認識した上で、 その中の何を如何に教えるかを意識的に選択することが必要である。 アンケートや模擬授業を通じ、 具体的な授業の方法についても議論し、共に考える。
体論およびGalois理論。 方程式の解を求めることは数学の基本的な欲求の一つである。 Galois理論は方程式の解法理論から見出されたものであるが、 今や数学の多くの場面で類似の構造が見出され一般化されている。 本講義では、代数の一般論としての体論の上で、 古典的な体拡大のGalois理論を中心に講ずる。 演習も適宜行なう予定なので、積極的な参加を求む。
計算機室での実習により、情報処理I〜IIIで学んだ基礎事項を基に、 様々なデータ構造やその実装を扱い、 情報検索や計算など各処理に適した情報システムの設計を学ぶ。 又、make によるプロジェクト管理やプログラムの共用・再活用など 効率的なシステム開発手法に触れる。 C 言語で実際にプログラムを作るので、 情報処理III 程度のプログラミングの理解・習熟を要す。
理工学部の全学生を対象に、 基礎的な生物学および基礎的な情報学を習得させる事を目的とする。 生物実験では、様々な生き物に直接触れながら体の作りを調べ、 刺激に反応する様子を観察することにより、その働きを理解する。 また、DNAや酵素等を抽出・解析することにより、 生命現象の物質的基盤をより深く理解する。 情報演習では、プログラミングの基礎を学ぶ。 コンピュータを動かすには、処理内容をプログラムとして記述することが必要である。 演習では、変数・型・条件分岐・繰り返し・配列・関数などのプログラムの要素、 構造、処理の流れを、実際にプログラムを作成・実行して理解する。 プログラミング言語にはC言語を使う。
この中の情報演習(7回)を担当する。
現代では、日常の学習や仕事の中でPCやネットワークを活用することは必須である。 この科目では演習を行いながら情報リテラシー技術を学ぶ。 PCやネットワークの基本操作・電子メール・ウェブ閲覧・文書作成・表計算・ 文献検索・プレゼンテーション資料作成・Webページ作成・ マナー・倫理・著作権などの基本項目を、学生の習熟度合いに応じて学ぶ。 この科目を原則として一年次に履修することで、 その後、学生がそれぞれの科目の勉学や研究の際に、 PCやネットワークを活用できるようにしたい。 また、将来的にもそれぞれの仕事の中で有効に使えるための 基本的な情報処理の技術と知見を得たい。
現代社会において、安全と倫理は重要な問題である。 特に技術開発やその利用を主な業務とする理工系の人間にとって、 これらに対する認識は非常に重要である。 本講義では、これらに対する基礎知識について輪講で講義する。
この中から、2回を担当し、 情報化社会での安全な情報通信を支える「暗号」の基本的な仕組み・ 活用(認証・署名など)・裏付けとなる基礎数理を紹介する。
「十を知って一を教える」。 解法テクニックや知識断片の羅列・押付けに陥らない為には、 中学高校で学習する数学の内容をより高く広く深い立場から理解し、 数学全体での位置付けや他の事柄との関連を認識した上で、 その中の何を如何に教えるかを意識的に選択することが必要である。 アンケートや模擬授業を通じ、 具体的な授業の方法についても議論し、共に考える。
Galois理論では、与えられた多項式に対して その分解体のGalois群を求めることが第一の問題となるが、 次には逆に、与えられた有限群に対してそれをGalois群に持つ 体拡大・多項式の存在や、実際にそれを求めることにも興味が向く。 このような「構成的Galois理論」について、予備知識の補足を交えながら、 幾つかの手法の初歩を講義する。 一般的な理論に乗る部分もあるが、実際には扱う体や有限群の個性が強く影響し、 一筋縄でいかない所がある。 古典的な方程式解法理論に深く関わる所もあり、 特に実例を多く扱うことで「計算する数学」の面白さを思い出してもらいたい。