一変数の場合を中心に、微分積分など数学に於ける解析的手法を扱う。 高校までの「等式の数学」で余り触れられない「不等式による評価」の話から始めて、 Taylor展開の理論を大きなテーマとし、 極限・収束・無限和・微分・積分・近似計算などを関連付けて講義したい。 高校までで学んだ知識も活用する一方、それらのより確かな基礎付けも与える。 問題演習や多くの例を通じて理論的な事項を実感すると共に、 将来出会う様々な実例に馴染んでもらいたい。
「計算」とは何か、「計算できるか/できないか」というような問いに対して、 数学では、「計算機が行なうこと」を「計算」と考え、 計算機が行なえることを「計算モデル」として定式化することによって 「計算」を定義し、明確に答えることを可能にしてきた。 本講義では、代表的な計算モデルを取り上げながら、 計算の理論・アルゴリズムの概念・計算量の理論の初歩を紹介し、 計算の可能性・効率について論ずると共に、 具体的な例として幾つかの基礎的な数理アルゴリズムについて触れる。
本講義は 「計算機数学」(理工学部情報理工学科)・「電子計算機概論I」(理工学部数学科) の合併講義であるが、 数学科の「計算機数学I」とは別の講義である。
「十を知って一を教える」。 解法テクニックや知識断片の羅列・押付けに陥らない為には、 中学高校で学習する数学の内容をより高く広く深い立場から理解し、 数学全体での位置付けや他の事柄との関連を認識した上で、 その中の何を如何に教えるかを意識的に選択することが必要である。 アンケートや模擬授業を通じ、 具体的な授業の方法についても議論し、共に考える。
理工学部の全学生を対象に、 基礎的な生物学および基礎的な情報学を習得させる事を目的とする。 生物実験では、様々な生き物に直接触れながら体の作りを調べ、 刺激に反応する様子を観察することにより、その働きを理解する。 また、DNAや酵素等を抽出・解析することにより、 生命現象の物質的基盤をより深く理解する。 情報演習では、プログラミングの基礎を学ぶ。 コンピュータを動かすには、処理内容をプログラムとして記述することが必要である。 演習では、変数・型・条件分岐・繰り返し・配列・関数などのプログラムの要素、 構造、処理の流れを、実際にプログラムを作成・実行して理解する。 プログラミング言語にはC言語を使う。
この中の情報演習(7回)を担当する。
プログラミング演習では、ネットワークプログラミングを中心に、 プログラミングの応用編の内容を扱う。 ネットワークを介して接続されたPC間でデータを送受信して処理を行う仕組みと その実装について理解する。 内容は、クライアント・サーバ通信、 サーバサイドスクリプト言語による動的なwebページの作成などについて プログラム作成の演習を行う。 数学演習では、解析学の基礎を学ぶ。 単なる計算力を養うのではなく、論理的な理解に重きを置く。 実数の連続性や関数の連続性、距離空間における連続写像・微分・積分など、 基本的な解析系の数学的概念を学ぶ。
この中の数学演習(7回)を担当する。
小学校の算数以来馴染みの深い「数」、とりわけ「整数」の振舞いについて、 様々な奥深い現象を紹介する。 剰余と合同式、ユークリッドの互除法による最大公約数の計算法、 素数の概念の意義と見直し、方程式の解法理論の歴史などの話題に加え、 暗号など近年の情報化社会における応用などを通じて、 数理現象の探求が数理技術として活用されている様子にも触れる。 高校の「数学II・数学B」程度の予備知識を想定する。
現代社会において、安全と倫理は重要な問題である。 特に技術開発やその利用を主な業務とする理工系の人間にとって、 これらに対する認識は非常に重要である。 本講義では、これらに対する基礎知識について輪講で講義する。
この中から、2回を担当し、 情報化社会での安全な情報通信を支える数理技術の中から、 秘密分散・誤り訂正符号・暗号通信・電子認証などについて、 その基本的な仕組み・活用・裏付けとなる基礎数理を、実習を交えて紹介する。
今までの代数系科目を踏まえて、体論およびガロア理論について講義する。 体論の基礎事項について復習・補充をした後、ガロア理論の基本定理を紹介し、 基本的な例として有限体・円分体・クンマー拡大などに触れ、 併せて古典的な問題意識として方程式の解法理論や作図問題との関連にも 時間があれば触れたい。