12/8(木):最終週!
朝 2000W
朝は冷え込む。ソウルにいた寒気がやってきたのだろうか。というわけで、寒い朝はチゲ!

豆腐チゲ。★★★ おぼろ豆腐(スンドゥプ)のチゲ。 玉子、ネギ、アサリ入り。 熱々で食べにくいが、豆腐やご飯と一緒に食べれば 辛味はそれほどでもない・・・かも。 下:じゃがいもとにんじんの赤蜜。★★☆ 黒蜜なので甘いかと思ったら、けっこう辛い。 左:白菜キムチ。★★★ チゲを含むスープ類に放り込むのも一般的な食べ方。 右:昆布のナムル。★☆☆ 細切り昆布をナムルにしたもの。 茹ですぎておらず、歯ごたえが良い。
昼 2400W
今日も今日とてピビンパを。ピビンパ。★☆☆ 1ヶ月以上経過したが、ピビンパの具は特に変化がない。 季節のピビンパ、みたいなのは無いのだろうか。
おみやげトーク
ソウル土産のヨンスヨムを配る。で、ついでに「済州島にも行ってきたら?」なんて話に。済州島・・・ちと惹かれるが、大変そう。もうそんな気力は残っていない。というか論文仕上げないと。
調べてみると、リゾートらしくて私の好みでは無さそう。登山も5時間とか・・・無理。
夕 3200W
寒い日は熱々のうどんですな。カルグクス。☆☆☆ あさりの入ったうどん。 薄味だが、まあ十分と言えば十分。 白菜キムチ。★★★ うどんの汁に放り込む。 調味料としての役割もあるのだ。 じゃがいもとにんじんの炒め物。☆☆☆ 朝のと違い蜜はかかっておらず、茹でて炒めた感じ。 ニンニクの芽のコチュジャン炒め。★★★ コチュジャン炒めはうどんに放り込まないらしい。
12/9(金):44日目
朝 2000W
寝ぼけ眼で朝食へ。
下:肉団子の酢ケチャ。☆☆☆ 酢豚系シリーズは色々バリエーションがある。 上:豆腐のピカタ。☆☆☆ 辛いタレはかけずに食べた。 韓国人は衣を付けるのが好きらしい。 左:白菜キムチ。★★★ 浅漬け。 右1:切り干し大根。★★★ 厚くむいた大根の皮がちょっと干からびたところでコチュジャンと和えた感じ。 今日のは「皮」感が強く、大根の辛味が立っている。 右2:レンコンの黒蜜煮。★☆☆ 量が少なくなったおかずがマージされていたので、1品多い。 汁:わかめの味噌汁。☆☆☆(★☆☆) なぜか冷めてる。悲しくなる。眠い。ソウルの疲れが。
昼 3040W
疲労回復のため、ピビンバ以外も食べないと。赤プルコギ。★★★ 肉をしっかり食べておく。 レタスとキャベツ。☆☆☆ フルーツマヨネーズも、慣れればそう悪くは無い・・・のかな。午後はこちらで最後のミーティング。
満足な結果が出なかったため塩漬けにしていた計算について議論した。
「確かに普通とは違うが、そのモデルの結果としてはreasonableなんじゃないか?論文出せば?ちょっとくらい変な方がウケるものだよ。」とのこと。
うーん確かに、自己完結的にまとまった論文よりも、ツッコミ入れやすい方が引用数増えるかも。
夕 3360W
夕飯はピビンパ。ピビンパ。☆☆☆ なぜかご飯は小豆入り(赤飯風)。 で、なぜかべちょべちょしてる。 エリンギ炒め。☆☆☆ 小さいエリンギを炒めたもの。
12/10(土):45日目
朝 2400W
寒い!今日も氷点下だな・・・。ところで、私は何のためにここに来たんだっけ・・・そうだ、修行しないと!
初心に返り、激辛チゲ。

テンジャンチゲ。★★★★★ グツグツ煮え立つ真っ赤な汁。 ホヤ入り。皮は固くて臭いので、オレンジ色の中身だけいただく。 今日は青唐辛子も除けずに食べる! 上:白菜キムチ。★★★ 辛味は誤差の範囲であり、酸味を提供する。 左:昆布のナムル。☆☆☆ 救いになるわけでもない頼りない昆布達。 右:切り干しキムチ。★★★★ これから辛味を取ったら、ただの干からびた大根の皮。ホヤの皮のみ残し完食。もはや青唐辛子など怖くはない!長い修行の成果である。
・・・正直に言うと舌が痛い。あちこち痛い。
でも男の子だから泣かない!
昼 6000W
隣の日本人達とカルグクス屋へ。なんでも、寒い日と雨の日の昼はカルグクスを食べるのが韓国の習慣らしい。寒い日はともかく、雨の日って?
白カルグクス。☆☆☆ どろっとした穀物スープの韓国風うどん。 学食に比べ味が濃く、麺も太い。そして量が多い。 赤カルグクスは激辛らしいので注意。 マンドゥ。☆☆☆ 直径7cm近い円形の蒸しギョーザ。 大勢で行けば、こういうものも食べられる。 白菜キムチ。★★★ お好みでスープに放り込む。 学食のより味が良い気がする。 生ししとう(大)。★★☆? 10cm以上ある生のししとうに、辛くない味噌をつけてかじる。 野菜スティック的な感覚だろうか。 ご存じの通り、辛いかどうかは運次第。 私のは微妙に辛かった。ちなみに、今回の滞在では食べる機会がなかったが、「ウドン」という別の料理もある。
よって、ここではあえて韓国のうどんを「カルグクス」と呼ぶことにした。
帰り、ちょっとお洒落なカフェに寄って帰った。
新興住宅地の方に行くと、そういう西洋風の町並みになっている。
夕 3600W
今日は仲間達は用事でいないので、一人で夕食。
鉄鍋ピビンパ。★★☆ 今日のは「焼き」が足りず、あったかピビンパ。 まあ、食べやすいけれども。 椎茸が入っている。 下:豆腐サラダ。☆☆☆ 色々入りのおかず、というのはけっこう珍しい。 左:白菜キムチ。★★★ ついでなのでピビンパに放り込む。 右:アーモンドごまめ。☆☆☆ 煮干しとアーモンドに蜜をからめたもの。 汁:葉っぱの味噌汁。☆☆☆ なぜだか冷たい。 寒い日は冷たいスープ、というのが韓国の慣習なのか?副菜が豪華だ。時間が遅かったから、残ったおかずが回ってきたのだろう。
月がキムチ色に染まった!

今日は皆既月食である。
こちらではそれらしい話を聞かなかったが、日本ではニュースになっていたことと思う。
私も韓国から同じ月を眺めていた。
写真は、ダイヤモンドリングみたいになった時のもの。
12/11(日):韓国最後の日曜日
朝 2400W
最後の休日。どこかへ観光に!・・・行くところも無いな。もう十分満喫した。
今日は真面目に論文をやっつけることにする。

豆腐チゲ。★★★ 寒い朝は豆腐チゲ。 これは辛さに慣れれば美味しい。 朝ご飯ローテーション入り確定。今更だけど。 上:カニかま酢ケチャ。☆☆☆ 酢ケチャシリーズは色々出てきたが、これは失敗。 かまぼこの味がケチャップに負け、かつ魚の臭みが強調される。 左:白菜キムチ。★★★ もはやキムチを辛いと感じなくなってきた。 右:ししとうキムチ。★★☆? ピクルスのように酸味が強く、ピーマンのような苦みがある。 基本的にはキムチの辛さだが、3本中1本は大当たりだった。
昼 2200W
午前中は部屋で仕事をしたが、昼寝の誘惑に負けなかった。実はこちらに来て初めてではないだろうか・・・。

下:白身魚のフライ。☆☆☆ この大きさで原型があり、骨がなく、かつ赤くない魚! 日本では珍しくも何ともないが、ここでは貴重品だ。 上:三次元のり。☆☆☆ サクサクしてるのでお気に入り。 ちょっと格好良い名前を付けてあげた。 左:白菜キムチ。★★★ 浅漬け。物足りない。 右:白菜のナムル。☆☆☆ 毎日食べてる白菜だが、ナムルは初めて。 ただの塩もみよりは美味しい。 汁:白菜の赤味噌汁。★★★ きっと白菜が大安売りだったんだと思う。安いお弁当の定番である白身魚フライ。
こいつにこれほどに幸せを感じることになろうとは。
夕 5440W
いつものレジうちのおばちゃんではなく、初めて見るおばちゃん。慣れない手つきでレジをいじくり、出てきた数字が5440W。高い!
おばちゃん間違えてないか・・・。

シーフードチャーハン。☆☆☆ 小さいエビと細切れイカ。 まあ悪くは無い。 豚肉の醤油煮込み。☆☆☆+★★★ 豚肉とウズラの卵を醤油ベースの汁でじっくり煮込んだもの。 なかなか美味しい。 ししとうは2本中1本、中当たり。 フルーツ缶マヨネーズ。☆☆☆ サラダだと思ったら、桃、パイン、ナタデココなどのフルーツ缶を マヨネーズで和えたもの。キュウリも入ってる。 野菜とフルーツの概念は意外と普遍的じゃないらしい。
12/12(月):47日目
朝 2000W
洗濯したり荷物をまとめたり色々やらないと。
下:ハム炒め。☆☆☆ 相も変わらず頼りない肉加工品。 上:きざみのり。☆☆☆ 刻んだ韓国海苔。 生ニラの割合がいつもより多い。 左:白菜キムチ。★★★ 古キムチ。 右:サラダ草。★★☆ 最後まで名前がわからなかった。 でも別にどうでもいいや、程度の存在感。 汁:おかゆ。☆☆☆ プレーンなおかゆ。 塩味もなにも付いていないので、のりを放り込んでみる。 真っ黒な海苔粥になってしまった。まあ、良いのだが。早めに宿泊費の払いを済ませる。
研究室から事務所まで、歩いて30分かかるのが難点だ。
昼 2400W
今日も別のところ・・・に行ってみたら、行列ができていたのでいつものところ。トンカスは若者に大人気だ。
ピビンパ。★★☆ 日本に帰っても、おかずとご飯を混ぜてしまうかもしれない。
夕 2200W
仲間達は用事があるそうなので、一人で夕食。
下:赤酢あんかけブタフライ。★☆☆ 直径2mmの豚肉入り衣の酢豚風。 酢豚風シリーズが多いので、ネーミングで勝負してみた。 アクセントは「ブ」に置いて欲しい。 上:赤細昆布。★★☆ 細切り昆布と野菜類の赤い汁和え。 左:白菜キムチ。★★★ 酸っぱい。 右:一つ葉の酢の物。★★☆ この三つ葉っぽい葉っぱも正体不明だ。 スーパー行けばわかるのだが、遠いので面倒。 汁:胡椒汁。☆☆☆ 豆腐、油揚げ、大根と、あとは味噌が入れば味噌汁。 だがしかし、胡椒味。意外と美味しい。 読む際は「こしょしる」と、「みそしる」っぽく発音して欲しい。変わり映えのしないメニューを前に、変わった名前を考える。
12/13(火):48日目
朝 2000W
明日帰国。ということは実質最終日!だからといって特にいつもと違うことがあるわけではない。

下:鶏骨皮からあげ。★☆☆ 韓国名物、鶏の骨と皮のからあげ。 これを食べてしまうと、日本の軟弱なふにゃふにゃからあげ では満足できなくなる・・・ことはないな。 上:みそ切りししとう。? ししとうを赤味噌にからめたもの。 こう細切れにされてしまうと、「当たり」が入っているのが前提となる。 で、結果。 約1/3は無辛。1/3は中辛。1/3が激辛。うち、1切れが痛辛。 なかなかバランスの良い分布だ。ヒストグラムを作ってみたくなる。 左1:白菜キムチ。★★★ 日本に帰ったら、キムチ無しで生きていけるだろうか? ・・・うん、きっと何の支障もなく生きていけるだろう。 左2:もやしキムチ。★★☆ 残り物が一品追加。もやしのキムチ。 平凡な味だが、実は珍しい? 右:黒蜜じゃが煮。★☆☆ 久々だ。甘さの中に、赤唐辛子粉の微妙な辛さ。 汁:昆布スープ。☆☆☆ 昆布、大根など。コンニャクは入ってなかったことにする。辛くない(場合のある)唐辛子は、ピーマンのように肉厚で大きい。
見た目でネギと区別が付きにくいものは、ほぼ例外なく辛い(痛い)。
これまで赤唐辛子と青唐辛子で区別してきたが、品種的には
大きく肉厚=日本の「ししとう」に近い品種。ただし、やたらと当たる
小さく薄い=日本の「鷹の爪」に近い品種
ということになるのではないかと推測する。
昼 3200W
寒いのでカルグクス。カルグクス。☆☆☆ いつものアサリ入りのやつ。 スープに粘りがあるので、無駄に熱々。 白菜キムチ。★★★ 味の薄いカルグクスには欠かせない調味料。 黒蜜じゃが煮&みそ切りししとう。★☆☆&? 朝は学生食堂。昼は教職員食堂。 おかずは学内を巡る。 ししとうはもう十分堪能したので、取らなかった。
夕 5000W
「最後だから外行こうぜ!」というので『正統中華料理』へ。ちゃんぽん。☆☆☆ シーフードのスープが気に入った。 ゴムっぽい食感の麺はちょっと好みではないが。 ちゃんぽんは正統韓国料理である。ぐだぐだと話をした後、「また会議で会おうぜ!」と別れた。
グローバルだが、極端に狭いコミュニティ。
彼らとは今後も、度々会うことになるだろう。
12/14(水):帰国日
朝 2000W
最後の朝食!と言ってもやはり、特別な物が食べられるわけではない。

下:ハムのピカタ。☆☆☆ この頼りないハムともお別れか。 上:焼きのり。☆☆☆ まあ海苔なのだが、たまに生臭くて酸っぱい部分がある。(色も茶色い。) 思うに、「韓国のり」として売れないような規格外品なのではないだろうか。 左:白菜キムチ。★★★ キムチを海苔で巻いて食べる。 腐った海苔も、キムチさえあれば食べられるのだ。 右:ほうれんそうのナムル。☆☆☆ 多少の油を是とするなら、ナムルは悪くないと思う。 韓国料理はいつ頃から真っ赤に染まってしまったのだろうか。 汁:赤汁。★★★ 韓国と言えば赤いスープ。 最後の朝食にふさわしいのではないだろうか。
帰宅の途
発つ日本人跡を濁さず。部屋を綺麗に片付け、管理事務所に鍵を返す。 高速バスで釜山へ行き、昼の便で東京へ。
昼 0W
おまけ。
機内食。味はまあ、想像通りと思って頂ければ良い。
ただし、私は非常に美味しいと感じた。赤くないし。
隣の席は、韓国人のおばちゃんだった。不運である。
まあ詳しい話は避けるが、年配(50代、60代くらい)の韓国人の文化は、明らかに日本とは異質だ。
ただし、大阪民国(日本の大阪府に存在する地域)の文化にはかなり近いものがある。
対して、若者達は良くも悪くも都会風、現代風、というか日本風の文化に染まっていて、あまり違和感を覚えることはない。
特に理系の大学というのもあるが、少々オタクっぽくて内にこもりがちな雰囲気とか・・・
しかしいくら似ていても、どこか日本とは違う。面白いものである。
おしまい。
これにて49日間にわたる韓国修行の旅はおしまい。韓国の「普通の」食事の魅力を理解して頂けただろうか。
皆さんも是非。機会があれば!
・・・修行の話を忘れる所であった。
これから海外に旅立つかもしれない方々にとって、この記録が参考になれば幸いである。
長期間にわたる海外暮らし。単調で赤い食事に嫌気がさしたことも正直あったが、
そういうのがまた逆に楽しくもある。生活環境の変化は慣れればなんとかなるものだ。
実際本当につらかったのは、「持って行ったノートPCの画面が小さくてスペックが低い」こと。
研究環境の劣化は如何ともし難いので、そこだけは注意した方が良い。
こうして異国の文化に入り込んでみると、日本の常識の内側から見えなかったものが見えるようになってくる。
「外国嫌いだから行かない」とか、「毎日ハンバーガーで済ませる」などと言わず、ぜひ世界の「普通」を体験してみてもらいたい。
少なくとも、赤くない日本料理の素晴らしさは再発見できると思う。