キムログ

序 (2011年、初版に基づく)

韓国における修行の日々を、主にキムチ的側面から悉に記録する。
学術的資料としての価値を損なわぬため、創作や誇張は含めない事とする。

この文章について (2014年、改訂版)

筆者は博士号を取った直後の2011/10/27-12/14 (49日間)、韓国のとある研究室で修行の日々を送った。
これはその当時、日本に残した家族や友人に宛てた近況報告として公開していた記録日誌である。

既にその役割は終えたものの、海外生活実体験記録というのは私の後輩達にとっても有用であると考え、改訂・再公開を行う事とした。
原文から多少加筆したが、臨場感を保つため本体の記録部分はほとんど手を加えていない。
暇な時に時間を掛けて少しずつ順番に読み進め、韓国滞在を疑似追体験していただけると幸いである。

大学について

韓国の港町、浦項(ポハン)にある浦項工科大学(POSTECH)に滞在した。
理系では韓国内で一番の名門私立大学である。
田舎でだだっ広く何も無いが、比較的綺麗なところである。
大学周辺の写真
日本で言うと、つくばみたいな感じか?
なお、国際会議のため2度×1週間程度滞在したことがあり、筆者にとっては「行き慣れた場所」である。

研究室はこんな感じ。
研究室の写真
机上に見えるは相棒:MacBookAir(13inch)
コーヒーなど気の利いたものは常備されていないが、建物はまあまあ綺麗。
ただし作りが何かと雑なため、ドアの鍵を回すのに絶妙なコツが必要だったりする。
同じ部屋に韓国人とポーランド人の院生がおり、昼食は大抵一緒だった。

滞在中は主に、大学付属アパート(教職員向け?)内の、ゲストルームに泊まっていた。
自室の写真
広くて綺麗、家具、テレビ、床暖房付きで快適。
ただし作りは何かと雑なため、窓を開けるのに膂力を要したり、階段の高さが不揃いで転びそうになったり・・・
でも、別に死にはしない。日本人が神経質過ぎるとも言える。
本当はLG冷蔵庫もあったのだが、オンドル(床暖房)のボイラー稼働音だと思い込んでいた
派手な重低音の発生源だと特定されて以降、再びコンセントが挿される日は無かった。

学食について

安い学食と、ちょっとお高めの教職員食堂を主に利用した。

学食の写真
学食のメニューは定食がほぼ1択。(早い時間に行けば、2種類ある。でも大して変わらない。)
ご飯、汁物、おかず4種が基本で、キムチ+野菜系おかず1種は取り放題。

教職員食堂の写真
教職員食堂は、好きな皿を選んで精算する生協食堂っぽい方式。
ただしメニューは少ない。(ピビンパが主力メニュー)
同じ場所で「あつあつメニュー」も提供しており、
朝はチゲ、夕方は鉄鍋ピビンパと韓国風うどんが食べられる。

他に、ラーメンなどの軽食が食べられるカフェテリアと、ビュッフェ形式の食堂もある。
なお学生は寮生活が大半なので、基本的にこれらの学食で毎日食事を取っている。
つまり、ここで供されるものが「現代韓国の普通の食事」と理解できる。

通貨(ウォン)について

韓国の通貨はウォン(W)。
2011年当時、100韓国ウォン=7日本円 くらいの換算。
ただし韓国は物価が安いため、現地の感覚だとその2倍程度(2000W=300円くらい)の価値がある。

言語について

研究室では、国籍によらず英語が基本。
韓国の町中では、日本と同様英語は通じない。
私は文字(ハングル)は大体読めるが、韓国語は
「イェー」(はい)
「アンニョンハセヨ」(こんにちは)
「カムサハムニダ」(ありがとう)
「イゴ、ジュセヨ」(これ、下さい)
だけ覚えて行った。
数の数え方も覚えたが、実際には早口で聞き取りは困難だった。
本文中に出てくる「おばちゃん」達とは言葉が通じているのでは無く、心が通じている。

唐辛子指数について

☆☆☆:全く辛くない。
★☆☆:少し辛い。後口がヒリヒリ。
★★☆:辛い。ピリ辛、甘辛など、日本で好まれる程度の辛さ。
★★★:しっかり辛い。ごはんが必要。
★★★★:激辛。
★★★★★:もはや味がわからない。
注:あくまで主観的な指標である。

写真について

写真は周囲に誰もいないときにコソコソ撮影しているため、原則として孤食時のみ。
クリックすると、無駄に大きく拡大表示する。
管理情報

もくじ

第1週(10/27−11/ 2) 〜佳日旅立ち編〜 [2011/11/20up]
第2週(11/ 3−11/ 9) 〜辛さに敗北編〜 [11/20up]
第3週(11/10−11/16) 〜慶州小旅行編〜 [11/20up]
第4週(11/17−11/23) 〜チゲに挑戦編〜 [11/24up]
第5週(11/24−11/30) 〜師匠の帰還編〜 [12/ 1up]
第6週(12/ 1−12/ 7) 〜ソウル冒険編〜 [12/ 9up]
第7週(12/ 8−12/14) 〜修行の成果編〜 [12/16up]
おまけ資料 [2014/12/24up]

更新情報

2011/10/27 記録開始
2011/11/20 公開開始
2011/11/24 「第4週」up
2011/12/ 1 「第5週」up
2011/12/ 9 「第6週」up
2011/12/10 「第6週」微修正
2011/12/14 記録終了
2011/12/16 「第7週」up
2012/ 1/ 8 誤植修正
2014/12/24 加筆改訂