能書き

この文章について

韓国文化についての雑多なメモ。
食器編

スプーン

丸くて浅くて柄が長い、ステンレス製の匙。
柄は西洋のものに比べ直線的。長くすることで、熱伝導による火傷を防ぐ設計。
韓国の伝統的な模様がついているのが一般的。学食のものは、「寿」「ラーメンマーク(四角い渦巻き)」「福」の模様がついている。
韓国人は主にこれでご飯を食べる。スープを飲むときも、器に口をつけずこれで飲む。
浅い上に真っ直ぐなので、スープは非常にすくいにくい。
ただし日本人が唐辛子スープをがぶ飲みすると絶対むせるので、ちょうど良いとも言える。

はし

ステンレス製の平たい箸。長く、かなり重い。韓国人はこれを使うことで日頃から筋力を強化している。(cf.「箸より重い物を持ったことがない」)
角は丸くなっており、デコボコの模様がついているので見た目ほど扱いづらくはない。
韓国人は、キムチなどのおかずを取る(食べる)時、麺類を食べる時などに使い、ごはんは箸では食べない。
日本人と比べると、韓国人は箸使いが上手ではないみたい。
ちなみに超高速で器用に(ただしお上品ではなく)箸を使っている人はたいてい中国人。
さらにちなみに、物理界隈の西洋人はお箸に慣れている人が多い。

食器

学食を含めて安いところはプラスチック製が基本。
高級な店は日本と同様、陶器の器が出る。ただしご飯の容器は特別。
スープの器は、ステンレスとプラスチックが拮抗。

ご飯の容器

ご飯は蓋付きのボウル(ボール?)のようなものに入っている。ステンレス製。
伝統文化らしく、学食でも高級レストランでも同じものを使う。
お櫃からよそう場合でも、この器に入れて蓋をしてから出す。
基本的には手に持たない。まあ、触ると熱いので必然的にそうなる。
ここにスープやおかずを放り込んでスプーンで食べるのが基本スタイル。
調味料編

テンジャン=味噌

味としては日本の味噌と同じだと思う。けっこう豆の形が残っている。
使い方はいろいろだが、調味料として使うものは赤唐辛子粉が大量に混ざった赤い味噌であることが多い。
日本の茶色い「赤味噌」と違って本当に赤い。また、この場合油も入っている。

コチュジャン

赤いペースト。とりあえず辛い。
(ただし水で薄めると、意外と甘みがあることに気づく。)
日本の醤油に対応する、韓国の万能調味料である。
学食では大きなバットに入っており、かけ放題。

赤唐辛子粉

赤の素。
日本の唐辛子ほど辛くないと言われるものの、やはり辛い。
日本の一味唐辛子のように「パラパラ振りかける」のではなく、真っ赤になるまで「バッサバサぶっかける」のが基本。
体が慣れない内は胃を痛める。胃だけでなく、食品が通過する粘膜全てがダメージを受けるので注意。
料理編

白菜キムチ

日本でもお馴染み。韓国でも、単に「キムチ」というとこれを指す。
調味料としても使われ、学食でもレストランでも一般的におかわり自由。
日本に比べ辛みと酸味が強い。韓国のを食べてから日本のキムチを食べると、とても甘く感じる。
ただし最近の日本のキムチは十分美味しいと思う。あくまで味の好みの問題。

ナムル

ナムルとは、野菜を塩ゆでしてゴマ油などと和えた物。貴重な赤くない韓国料理の一つ。
韓国人はコチュジャンをたっぷりからめて食べたりするが、日本人はそのまま素材の味を楽しむと良い。

チゲ

日本でチゲというと大きな鍋に入った辛い味付けの鍋料理だが、本場のチゲはどちらかというとスープ料理である。
韓国人はスプーンですくい、ごはんにぶっかけて食べる。
朝ご飯の定番の1つでもあり、コース料理の最後の方にも出てくる。刺身屋では、最後に魚の切れ端や骨のぶちこまれたものが出る。イメージとしては日本の雑炊に近いだろうか。
具は様々だが、基本的にスープは真っ赤で、さらに青唐辛子の輪切りが入ることが多い。熱々なので絶対に火傷する上、容赦なく辛い。
私がよく食べたチゲは、一人用の石鍋で出てくる具だくさんの「テンジャンチゲ」。スープは味噌味・・・というか激辛でもはや味などわからないが。

トゥブチゲ(味噌汁)

見た目は日本の味噌汁と変わらない。ただし赤い。
韓国語では「豆腐チゲ」ということになるが、韓国人の学生に聞くと、「これはミソシルだ」と紹介してくれた。
チゲと味噌汁どちらが先かはわかりづらいが、豆腐と野菜が入った味噌スープ、というパターンをチゲに取り込んだものと思われる。
おそらく日本併合時代に定着したのだろう。チゲ共通の特徴として青唐辛子の輪切りが入り、熱々。
日本ではお袋の味だが、韓国のオモニの味は青唐辛子味。

ククス(カルグクス)

韓国風うどん。見た目は「稲庭うどん」に近い。
韓国人は、スパゲティのように箸に巻き付けて食べる。スープも飲み干す。(浅いスプーンで丼一杯を。すごい。)
スープはいろいろバリエーションがあるようだが、日本のような「だし」はない。
ちなみに豆のスープは味が無く、そのままではつらい。キムチなどを入れ、自分で味を調整するらしい。

ピビンパ

「ピビン」は混ぜ、「パ」はご飯、すなわち混ぜご飯。
大きな器に、もやしなどのナムルと目玉焼きが入る。サラダやのりが入ることも。
コチュジャンをたっぷり入れ、スプーンで切るように混ぜて食べる。
韓国のスタイルを考えると、普通の食事との違いは目玉焼きの有無と器の大きさだけのような気もする。
ちなみに、ご飯は例の器から後のせするのが一般的。
日本だと「石焼き」ピビンパが有名だが、韓国では焼かないピビンパが基本。

キンパ

「キン」(表記はKim)は海苔、「パ」はご飯。海苔巻きご飯のこと。
見た目は太巻き寿司そのものだが、酢飯ではない。
日本風のコンビニおむすびは「サンカクキンパ」という名前で売られている。
野菜・果物編

サラダ

サラダは日本と同じように、レタスがメイン。日本と違うのは2点。
1つはレタスだけの場合が多いこと。
2つめは、ドレッシングが甘いこと。
定番は各種フルーツ味マヨネーズ。高い店では、メロン味のジャム(メロンジャムではない。駄菓子っぽい味)。

大きいししとう

20cm近くある大きいししとう。(基本的に辛くないが、たまに辛いのに当たる。)
コチュジャンなどをつけ、生でかじる。
青臭く、特に美味しいとは思えないが、韓国人はボリボリかじる。

トマト

日本と違い、果物扱い。
野菜売り場ではなく、果物売り場にある。
9月頭だと、定位置は桃の隣。
10月末だと、ミカン|トマト|柿という並び。
11月だと、ミカン|トマト|バナナという並び。

まくわうり

9月頭にスーパーに行くと、グレープフルーツくらいの大きさ、黄色い縦長楕円形で、縦に白い縞模様の物体を見かける。
正体は「まくわうり」の一種。メロンの原種で、味は控えめだがメロンの香りがする。

完熟柿

柿自体は日本と同じ品種だが、ゼリー状になるまで熟したものを売っている。
日本ではカリッとした食感が好まれるようだが、甘くジュクジュクの柿も美味しい。
商品編

「バナナヨーグルト」

日本でよくある乳酸菌飲料を大きくしたような容器。味はバナナ風味の牛乳飲料。イチゴ味もある。なぜかコンビニで大人気。韓国人は牛乳が好きなようだ。
その他編

日本と同じく水道水を飲んでも大丈夫。
ウォータークーラーなども普及している。

韓国の食堂には必ず紙が置いてある。
韓国料理を食べた後は口の周りが真っ赤になるため、
忘れず拭くことをお勧めする。忘れるとずっとヒリヒリ。
日本のレストランでも、大抵の場合「4:3折り」とでも言うべき独特の折り方の紙が置いてあるが、 韓国のものはそういう工夫はされていない。
高いレストランへ行くと、扇形にずらしたものを筒にさしたような形で紙が置いてあるが、どこから取れば良いやらわからない上、大抵全部出てきてわやくちゃになる。
安い食堂のティッシュペーパー形式の方がマシ。ただしこちらも、片手でボックスを押さえて引き出さなければならず、使い勝手が良いとは言えない。

コピー商品

本文中で「ポッキー」によく似たお菓子や、「かっぱえびせん」によく似たお菓子を紹介した。
誤解を避けるために言っておくが、私自身はこれについて「パクリ文化」などといった批判的な意見は持っていない。
よその国で良い商品を見つけたら、「自分の国でも作って売りたい!」と考えるのは自然なことであろう。
日本でもコピー商品は探せば結構ある。
ただ、韓国では「独自の文化」とか「長い歴史」といったものが異常に尊重される傾向があり、
日本で言う「元祖」「本家」のような感じで”盛られて”いることが多いようにも思う。

儒教精神

気をつけておきたい事として、韓国人は「上下関係に厳しい」ことが挙げられる。
おそらく儒教の影響かと思うが、長幼、労使、主従、師弟、などの関係の厳格さは日本とは比較にならない。
もともと熱い国民性もあり、目下の者が無礼な振る舞いをするとすぐにキレるので注意。
西洋人から見ると「差別」に他ならないので、国際的に問題になったりもしている。