比較の視点
産業と環境24巻1号(1994年1月)46頁
[概要]連載に当たって、どのような視点で論述するかを解説した。わが国の制度との比較をするが、その際に、歴史的経緯や社会的背景、市民の考え方などにまで考察の範囲を拡げる。
ワイルド・ターキー1羽50ドル也?!:自然破壊者に対する損害賠償請求
産業と環境24巻2号(1994年2月)47頁
[概要]野生生物の所有権が州にあるという規定を持つワシントン州法をとりあげ、その概要を紹介するとともに、発想の歴史的背景を検討する。違法捕獲者に実額を損害賠償請求するというユニークな対応がある。
環境法犯がなぜ営業を許可されるのか?
産業と環境24巻3号(1994年3月)59頁
[概要]過去に看過できないような重大な環境法違反を犯した者が再度許可を取得できるようになっていることが問題にされている。その実態を紹介するとともに、対応策をとっているニュー・ジャージ州法を解説する。
環境破壊者の浄化責任:CERCLAの対応
産業と環境24巻4号(1994年4月)59頁
[概要]環境法に違反して環境汚染が発生した場合、違反者に対して原状回復を請求するシステムをいくつかの法律が規定している。それを紹介し、実施上の問題点を指摘する。
環境法弁護士
産業と環境24巻5号(1994年5月)
[概要]環境法の立法過程・実施過程には、環境法を専門にする弁護士が活躍している。その実態や活躍できる制度的理由などを検討する。
違反者への厳格な対応:1993年度環境法執行統計より
産業と環境24巻6号(1994年6月)
[概要]連邦環境保護庁がまとめた環境法執行統計を紹介する。刑事的執行の多用傾向が定着していることを確認し、そのためにどのような制度的整備がされているのかを検討する。
行政とネゴする履行義務者
産業と環境24巻7号(1994年7月)73頁
[概要]大量の違反処理をしなければならない行政は、何とかリソースの効率的利用をすべく、非公式的な処理に傾く。それは、必ずしも、事業者にとって有利な内容ではない。交渉に当たってどのような点に注意すべきなのか。こうした点を解説した論文を紹介する。
環境政策の司法審査
産業と環境24巻8号(1994年8月)70頁
[概要]環境政策が裁判所によりどのように対応されているのか。場所により判決の傾向は異なるのか。全体的な判決の内容はどうか。こうした点を分析した論文を紹介する。
先進州と後進州:州環境政策の評価
産業と環境24巻9号(1994年9月)82頁
[概要]いくつかの基準をもとにして50州の環境政策を比較検討した論文を紹介する。先進的な政策を採っている州は、それを可能にするだけの経済的基盤がある点の指摘が興味深い。
環境管理をめぐる公正
産業と環境24巻10号(1994年10月)71頁
[概要]マリノリティが不当に環境汚染にさらされていることがアメリカでは問題になっている。実際にどのような状況なのかを概観した論文を紹介し、わが国において将来そうした問題が議論になるかどうかを検討する。
タレ込み1件1万ドル!?:違反通報者報奨金制度
産業と環境24巻11号(1994年11月)37頁
[概要]違反を通報した場合には、報奨金が与えられる。大気清浄法のもとで導入された新たな制度を検討した論文を紹介する。
水環境行政の過去と未来:クリントン政権の対応
産業と環境24巻12号71頁(1994年12月)
[概要]環境保護庁長官がクリントン政権のもとでどのような水環境行政を展開しようとしているのかを語ったコラムを紹介する。法律の実施の遅延や浄水施設の質の低さが興味を引く。
環境学の展開:カリフォルニア大学バークレイ校のカリキュラムから
産業と環境24巻1号(1995年1月)45頁
[概要]アメリカの大学で学生用に販売されている環境問題関係の授業案内をもとにして、どのような科目が提供されているかを紹介したもの。環境科学・政策・管理学科という特別のプログラムがあることを指摘する。
ヨセミテ国立公園
産業と環境24巻2号(1995年2月)71頁
[概要]ヨセミテ国立公園の管理システムをインタビューをもとにして紹介する。法執行のための特別の権限を持ったレンジャーや特許的営業許可制度、そして、生態系保全の発想による管理などの特徴を指摘する。
保護法益の重み:「環境」対「労働者」
産業と環境24巻3号(1995年3月)104頁
[概要]刑事的制裁の軽重は、通常、保護法益に比例していると考えられるが、アメリカでは、環境法規違反の方が労働安全衛生法規違反よりも厳しく罰せられる。その背景の事情を分析した論文を紹介した。
とにかく撃つな!:ワシントン州の食害補償
産業と環境24巻4号(1995年4月)63頁
[概要]野生生物が農作物に被害を与えた際のコスト分配制度として制度化されているワシントン州法をその発想の背景とともに紹介し、日本の現状との簡単な比較をする。
記録更新の法執行:1994年度環境法執行統計より
産業と環境24巻5号(1995年5月)57頁
[概要]過去最高の記録となった1994年度の法執行の概要といくつかの例を紹介し、アメリカ環境法のサンクション規定の特徴を検討する。わが国の環境法の刑事的制裁規定にも触れる。
連邦法の空白領域:医療廃棄物への対応
産業と環境24巻6号(1995年6月)65頁
[概要]社会問題となっている医療廃棄物の処理について、連邦法レベルでの対応とそれでは十分なために、州によっては州法により規制が行なわれている合衆国の状況を紹介する。
正直者がバカをみる?:環境監査と司法手続
産業と環境24巻7号(1995年7月)65頁
[概要]環境監査を通じて行政が入手したデータが司法的執行に利用されるとなると、監査制度の実効性に好ましくない影響がある。この問題をどのように考えればよいのかを論じた研究の紹介。
水質汚濁のA級戦犯?:農業系汚染への対応
産業と環境24巻8号(1995年8月)81頁
[概要]水質汚濁の大きな原因として認識されながら必ずしも効果的な対応がされてこなかった農業系汚染について概観する。排水基準を設定するという突飛にみえる対応にも触れる。
プレジャー・ボートと水面利用:ジョージア州法の対応
産業と環境24巻9号(1995年9月)57頁
[概要]河川水面におけるプレジャー・ボート係留に関する法規制をジョージア州法を例に紹介する。水面の一角をゾーニングするという興味深い対応がある。
排出権だよさあ買った!:第3回S02排出権取引
産業と環境24巻10号(1995年10月)55頁
[概要]経済的インセンティブを導入した規制手法として世界的に注目を集めているCAAの下での二酸化硫黄排出権取引の実態を紹介したもの。
有毒化学物質規制と裁判所:行政行為への判決
産業と環境24巻11号(1995年11月)79頁
[概要]規則制定に対して裁判所が積極的に介入する状況を有毒物質規制法を例にして紹介し、それが行政過程に与える影響などについてもコメントしたもの。
シエラ・クラブ・リーガル・ディフェンス・ファンド
産業と環境24巻12号(1995年12月)92頁
[概要]環境保護を目的とする訴訟活動をしているシエラ・クラブ・リーガル・ディフェンス・ファンドについて、その活動の実態を紹介したもの。