2006年度 演習(国際政治経済論)説明

2006年度ゼミ(演習:国際政治経済論)希望者へ

初回のクラス(4月13日)出席の際に、志望動機、現在の関心事(または研究したいテーマ;これは途中で変わっても良い)等を決められた下記の様式で準備しおくこと。
⇒様式はこちら(PDF)
初回に出席した結果、このゼミを希望するものはそれを提出してもらう。なお30名を超える場合はこれを元に選抜を行う。 その際、初回欠席のもの、またこの志望動機書を提出しなかったものは、優先順位が落ち、受講できない場合があるので注意すること。 また、特に4年生以上の場合は、過去に私の授業(国際経済学1,2、及び国際政治経済論1,2)を受講したものを優先する予定であるが、もし受講経験がなくこのゼミを志願するものは、 別途、2005年度国際政治経済論1か2005年度国際政治経済論2のレポート執筆要領に記載されている方法で、指定された文献のどれかを使用しブックレポートをまとめておくこと。 このレポートが選考基準のひとつとなる。なお、初回に正当な理由があってどうしても出席できない場合は事前にメイル等で事前にコンタクトをとること。

内容

・国際政治経済諸問題をより深く理解する能力を育てる。前期は毎週テーマを設定し、それについてのグループワークを行う。なお事前にそのテーマに関して必読文献を指定するので各自はそれを読んでゼミに参加することが要求される。 後期は各自テーマを決め,研究結果を発表し討論する予定。ゼミ受講者は国際経済学1,2または国際政治経済論1・2(下川雅嗣担当)を併せて受講することが勧められる。
・私自身の今の関心事はこのHPの全体を参照のこと。
・2003.2004,2005年度のゼミでやった詳しい内容については、HPの下川ゼミの2003年度の説明2004年度の説明2005年度の説明を参照のこと。
・2003,2004,2005,2006年度のゼミ生の卒論・ゼミ論の要旨については、HPの下川ゼミの2003年度のゼミ論・卒論要旨2004年度のゼミ論・卒論要旨2005年度ゼミ論・卒論要旨(大部分はタイトルのみ)を参照のこと。
・ゼミ論においては、個人研究だけでなく共同研究・執筆を可とし、また最終成果も論文の形にこだわらず共同で何らかの実践を行い、その軌跡のレポートという形も最終成果として認めようと思っている。詳しくは初回のクラスの時に話し合う予定。

前期グループワークを行う際のテーマ

※日程はとりあえずの目安です。途中で順序が入れ替わったり、別なものが入ることもあるので、ゼミ生は休んだ場合等常にMLを注意したり、他のゼミ生に確認してください。 また、(必修)の文献は、事前に必ず読んでかつ、当日のディスカッションで分かち合うポイント(重要だと思うこと、印象に残ったこと、問題だと思うこと等)を簡潔にまとめておいてください。 なお、このまとめは箇条書きでよいですが、当日のゼミ後に提出してもらいます。また(推奨)とあるものも、ディスカッションを豊かにするためには是非読んでおいてもらえればよいかと思います。 特に指定した論文が、一般論と違う場合もあり、その場合には、できるだけ推奨のところで一般論や違った考えを提示したいと思ってます。両論を読んだ上でディスカッションをしてもらえればと思います。

1)4/20 貧困・開発・発展 
 (必修)1:下川『貧困者の現実、彼らの歩みとオルタナティブな発展―アジアの都市部の事例を中心にー』
    (英訳:"People's Reality, People's Process and Alternative Developments in Urban Asia")
 (推奨)1:下川の国際政治経済論2の授業を思い出しながら
     2:James Ferguson (Stanford University) "Decomposing Modernity: History and Hierarchy after Development" 
     3:下川 『Japanese Seed』
     4:世界開発報告や人間開発報告書で記述されている一般的な貧困および開発のイメージ

2)4/27 アフリカの貧困と開発(NEPADは本当にアフリカの民衆の発展に繋がるのか)
 (必修)1:三谷真紀子 『アフリカ開発戦略と地域統合−「アフリカ独自の発展」を再考する−』 2005年度修士論文
      2:4/20に配布した資料

3)5/11 児童労働(先進国の人々が進めようとする児童労働廃絶運動の是非とその動機)
 (必修)1:櫻庭真理 『発展途上国の児童労働に対する先進国を中心とした取り組み−パキスタンのサッカーボール産業を事例に−』
        →JBIC第2回大学院生論文コンテスト優秀賞受賞論文(2004年度修士論文を元に短くまとめたもの)
 (参考)1.フリー・ザ・チルドレン・ジャパンのホームページ(一般的イメージ?)

4) 5/18 植民地時代と嗜好品貿易の現状(コーヒー・紅茶:フェアートレードって?)
  ※以前掲載していたものは読む量が多すぎるために負担を減らすためにかなり変更しました(5/6)
 (必修)1:山田里紗『フェトレードを通して見えるもの』2003年度卒業論文(1,4,5,6章のみ(約30ページ)
        (⇒要旨)
      2:『SoFAインド訪問記』』(8ページ) 
 (推奨)1:上述1の山田さんの卒論の資料(日本のフェアートレード団体へのインタビュー結果
 (参考)1:鈴木沙波 『紅茶と意識化 〜インド紅茶の考察〜 』2005年度卒業論文
         ←かなり長いです。もしインドの紅茶の歴史等に非常に興味があれば読んでみてください。

5)5/25 貧困と教育(教育は貧困者の可能性を拡大できるか)
 (必修)1:糟谷有紀子『教育は貧困者の可能性を拡大できるか』2004年度卒業論文
 (参考)1:AshAのHPめぐこのHP(一般的イメージ?)

6) 6/1 アグリビジネス(緑の革命、遺伝子組換穀物)と第三世界(知的所有権(TIRPS)の問題を含む)
 (必修)1:吉田真子"The Reinforcement of External Seed Dependency" 2004年度卒業論文(英文)
      2:4/27配布資料(天笠 啓祐編著『生命特許は許されるか』緑風出版よりほんの一部コピー)
 (推奨)1. 天笠 啓祐編著『生命特許は許されるか』緑風出版(他の推奨文献と違って本一冊なのでよっぽど関心のある人だけ)
      2. 下川 『Japanese Seed』(すでに読んでるはずですね。若干関係します)
 (参考)1.World Intellectual Property Organization (WIPO) のHP(一般的な考え方?)

7) 6/8 農地改革(重要性、困難性、可能性:日本、ボリビア、フィリピンの事例)
 (必修)1:国武匠 『明日の農地改革』2005年度卒業論文
 (参考)1:現在、世界銀行・IMFが推進しようとしている市場型農地改革の説明(世銀のページです:英文)
      2:南アフリカ政府は、2005年にIMF/WBの推進するMarket Agrarian Reformは機能しないと発表し中止(政府HP)
 (推奨)1:Market Led Agrarian Reformについての元ゼミ生(現イギリス留学中:K.T.)による簡単なまとめ
 (参考)1:K.T. "Critical analysis of market-led land reform -The case of Market Led Agrarian Reform in South Africa-"(全文)
8)6/15農地改革続き

9) 6/22 アジアの居住運動
 (必修)1:下川『貧困者の現実、彼らの歩みとオルタナティブな発展―アジアの都市部の事例を中心にー』
    (英訳:"People's Reality, People's Process and Alternative Developments in Urban Asia")
     2:下川『アジアにおけるコミュニティー・オーガナイズ(住民組織化)運動の流れ』
 (推奨)1:下川『水平交流』 
       2:下川『貧困者のスペースの拡大 & People's Process & 外部者の役割 』
     3:下川『アジアにおける貧困者のあゆみとコミュニティ・ビジネス』(第2節は上記必須1の要約)。

10)6/29のテーマ

6/29のテーマ(私たちの社会の社会分析)

 この回では、「今の日本の社会のどこに問題を感じるか。その問題はなぜ生じているか。それはなぜと深く思い巡らして根を探していく」といったようなことをやりたいと思います。 これらの根をきちんとつきつめていくと、ほとんどの問題は国際政治経済的な意味合いをもっているはずです。そこまで深めていってください。
 また、「その問題を解決するためにはどうしたらよいか。それをするためには何が必要か。またはそれを妨げるのは何か。私たちの出来ることは何か」まで話し合えればと思います。なお、その問題のなる事柄の進展は、誰の利益になり、誰の損になっているか等を分析するのも役に立つかもしれません。
 6月22日にそれぞれの関心に分かれてグループわけをしました。そしてそれぞれの班ごとに必要な文献等の調査をして6月29日に臨んで下さい。 一応必須・推奨・参考を載せますが、それ以外でも積極的に自分の関心に添って調べて置いてください。なお、前回欠席された方は、下記を見て自分の関心に一番合う ところを一つ選んで事前準備を行い、当日はその選んだグループに加わってください。また、下記に掲示したりリンクしたりしたものは、自分のグループ以外の ものでも、いつか目を通していただければよいかと思います。

@私たちの就職に関しての問題点
  ・どこに問題を感じるか。その問題はなぜ生じているか。それはなぜと深く思い巡らして根を探していく。
  ・その問題を解決するためにはどうしたらよいか。それをするためには何が必要か。またはそれを妨げるのは何か。
  ・今の現状は、誰の利益になり、誰の損になっているか
 (必修)1:鈴木沙波&吉田亜矢子 絵本プロジェクト『みんなの生きかた』2004年度ゼミ共同プロジェクト
 (必修)2:日本、フランス、他国のおける若者雇用の不安定性の比較に関する記事(一週間のみアップします)
 (推奨)1:暉峻 淑子 (2003), 『豊かさの条件』岩波新書.

A野宿者問題
  ディスカッションのテーマ例
  ・なぜ野宿者が増えたのか。野宿にいたる経緯。野宿者の生活。何が問題か。問題の解決は?解決を妨げるのは何か。
  ・なお、これについても上記@のような質問で始めていっても良いと思います。
 (必須)1:HPの「2006年1月30日のうつぼ公園・大阪城公園での野宿者の強制排除に関してのコメント」
      2:吉田亜矢子さんの2003年度ゼミ論要旨全文(実は未完成ですが・・基本ラインは好感が持てます)
 (参考)1:「渋谷の野宿者と彼らの取り組み」(もっと古い(1999年)記事です。出発点)
      2:「甲斐性なしでなんで悪いんや!!」(少し古い(2000年)記事です)
      3:2004年6月から始まった東京都の地域生活移行支援事業について
      4:移行支援事業の現状(これについてはゼミのMLのHPのブリーフケースにおいておきます)。
      5:渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合(のじれん)のHP
     

B憲法改定について(教育基本法改定を含んでも良い)
 ※ただし、このゼミは経済、経済構造の問題が中心なので9条の問題というより12、13条の問題を中心に扱いたい。
 1:はじめに(必須)
 2:憲法改定の問題点(必須)。
 3:教育基本法改定の問題点(推奨)
 4:現行憲法・自民党憲法改定案の比較(抜粋)(必須)。
 5:現行教育基本法・与党教育基本法改定案(推奨)。
   

11)7/6:6/29の続きかまたは各自の研究テーマ発表
12) 7/13 研究テーマ発表


注意

本ゼミは、木曜日9,10限となっているが、長引くことが多いのでその旨最初から留意しておくこと。また、クラス、クラスの準備、日々の研究、さらには学生どうしの交流等、かなり積極的に参加する学生を望むのでその覚悟で臨んで欲しい。なお下記にある最終合宿は全員参加。

卒論執筆者・ゼミ論執筆者の日程目安

<前期>
・5月下旬:研究テーマ案の分かち合い及びテーマの調整
・5/31頃国際関係副専攻卒論登録締切(これ以前にテーマをある程度絞っておかないとこのときでは遅い)
・7月最後のゼミ2回あたりで卒論、ゼミ論、グループ研究の研究テーマ・途中経過についての簡単な報告をしたい。

<後期>
・後期は順に中間発表
・12月中旬(予想)卒論提出期間
・12月末及び1月はじめ:卒論最終発表(ゼミの時間中)
・1月はじめ(場合によっては1月末):ゼミ論(卒論残り)最終報告合宿(原則全員参加)
・ゼミ論締切りは最終合宿の2日前か1月20−25日あたりにしたいと考えている。

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