代数3・講義内容と予定


教室を14-717Bに変更しました。

期末試験のお知らせ

講義概要

今までの代数系科目を踏まえて、体論およびガロア理論について講義する。 体論の基礎事項について復習・補充をした後、ガロア理論の基本定理を紹介し、 基本的な例として有限体・円分体・クンマー拡大などに触れ、 併せて古典的な問題意識として方程式の解法理論や作図問題との関連にも 時間があれば触れたい。

授業の到達目標

体の拡大の基礎事項として、 代数拡大・超越拡大・拡大次数・共役・正規拡大・分離拡大などの概念を理解する。 特に、ガロア拡大に対するガロア群の重要性、 およびガロア理論の基本定理・ガロア対応を理解する。 実例として、有限体・円分体・クンマー拡大などに慣れ親しむ。 簡単な場合に与えられた多項式のガロア群を計算したり、 ガロア対応を具体的に書いたりできる。 方程式の解法理論や作図問題との関連など古典的な話題にも親しめると良い。

講義計画

受講生の予備知識・理解度に合わせて、適宜進度を見直すことがある。

主な参考書

講義内容

09/30

配ったプリント [page 0(pdf,13KB) |アンケート(pdf,8KB) |演習1(pdf,12KB) |演習2(pdf,10KB) ] ・プロジェクタ資料 [10/01授業時(pdf,40KB) |10/01印刷用(pdf,32KB) ]

本講義の概観(Galois理論とは)。 今までに習った数学(算数)/人間と数学の歴史を振り返る。 古典的な方程式論。3次方程式の根の公式(Fontana-Cardano)。 4次方程式の根の公式(Ferrari)。

授業時演習(拡大次数の連鎖律)

10/07

プロジェクタ資料 [10/07授業時(pdf,58KB) |10/07印刷用(pdf,47KB) ]

3次・4次方程式の古典的な解法理論を題材としたGalois理論の予告編。 3次方程式の所謂"不還元の場合"について。 二重根号と複二次式とFerrariの解法。

数体系の拡張。「数」とは何か。

10/14

「体育の日」であるが授業実施日である。

多項式環・体の基本事項の復習。 代数拡大・最小多項式・代数閉体。 代数拡大の代数閉包への埋込。体拡大の自己同型群。 有限次代数拡大の基本的な不等式。共役・正規拡大。

10/21

有限次代数拡大の基本的な不等式。分離拡大。体の標数。Frobenius準同型。

10/28

Galois理論とは。Galois拡大とそのGalois群。Galois理論の基本定理。推進定理。

11/04

Galois群と根の置換。 Galois対応の例: (2,2)型, S_3, 複二次式(D_4)。

11/11

Galois対応の例: 複二次式(D_4)。 判別式。

円分体。円分多項式。

11/18

多項式の既約性判定。素数に対する円分多項式の既約性。 円分体のGalois理論。例: 5分体。

11/25

円分体のGalois理論。例: 7分体・15分体。(Z/mZ)^×の構造。

12/02

有限体とそのGalois理論。 円分体・有限体のGalois理論の応用: Gauss和と平方剰余の相互律。

12/09

円分体・有限体のGalois理論の応用: Gauss和と平方剰余の相互律(続き)。

巡回Kummer拡大。Dedekindの補題。

12/16

配ったプリント [page 1〜3(pdf,52KB) ]

Artinの定理。有理関数体のGalois理論。

01/06

方程式の古典解法をGalois理論で見る。

方程式の冪根による可解性。 定規とコンパスによる古典的作図問題や正多角形の作図。

01/13

「成人の日」につき、本授業なし

01/20

被覆のGalois理論。基本群とGalois群。

Galois群の構成問題。

01/27

期末試験を行なった。 [期末試験問題(pdf,24KB)]