代数7・講義内容と予定


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期末レポート課題について

レポート課題プリント [page 1,2(pdf,41KB,12/13授業時配布) |page 3(pdf,28KB,01/17授業時配布) ]


講義概要

Galois理論では、 与えられた多項式に対してその分解体のGalois群を求めることが第一の問題となるが、 次には逆に、与えられた有限群に対して それをGalois群に持つ体拡大・多項式の存在や、 実際にそれを求めることにも興味が向く。 このような「構成的Galois理論」について、 予備知識の補足を交えながら、幾つかの手法の初歩を講義する。 一般的な理論に乗る部分もあるが、実際には扱う体や有限群の個性が強く影響し、 一筋縄でいかない所がある。 古典的な方程式解法理論を全体の導入として、 特に実例を多く扱うことで「計算する数学」の面白さを思い出してもらいたい。

講義計画

受講生の予備知識・理解度に合わせて、適宜進度を見直すことがある。

主な参考書

講義内容

09/27

配ったプリント [page 0(pdf,15KB) |アンケート(pdf,8KB) ] ・プロジェクタ資料 [09/27授業時(pdf,39KB) |09/27印刷用(pdf,31KB) ]

出張等の都合により、初回はイントロのみに留め、30分〜1時間程度で終了する。

本講義の概観(「Galoisの逆問題(構成問題)」とは)。 今までに習った数学(算数)/人間と数学の歴史を振り返る。

10/04

プロジェクタ資料 (授業時には用いなかったが、準備はしていたので、まとめ資料として掲載しておく) [10/04印刷用(pdf,28KB) ]

古典的な方程式論。3次方程式の根の公式(Fontana-Cardano)。 4次方程式の根の公式(Ferrari)。

10/11

配ったプリント [演習1(pdf,10KB) ]

3次・4次方程式の解法の演習。 3次方程式の所謂"不還元の場合"について。 二重根号と複二次式とFerrariの解法。

10/18

Lagrangeの考察。根の置換を考える。

多項式のGalois群(根の置換)。

10/25

多項式のGalois群(根の置換)。例: 複二次式の場合。 体拡大の自己同型群としてのGalois群と 多項式の根の置換群としてのGalois群との関係。

11/01

体の拡大のGalois理論の復習。Galois理論の基本定理。

Galois群の計算に向けて。

11/08

Galois群の計算。判別式。分解式(resolvent)。

Galois群の計算例: 3次の場合・4次の場合。 Mapleによる分解式の計算の実演。Cardano-Ferrariの分解式。

11/15

Galois群の計算。判別式。分解式(resolvent)。

Galois群の計算例: 3次の場合・4次の場合。Cardano-Ferrariの分解式。

11/22

配ったプリント [演習2(pdf,28KB) ]

Galois群の計算例: 5次の場合。Cayley-Weberの分解式。

「Galois群の構成問題」とは。

11/29

「Galois群の構成問題」とは。 パラメタ付の(有理関数体上の)多項式によるGalois群の構成。 粗筋: C(t)上から\overline{Q}(t)上・Q(t)上・Q上へ。 多価関数のRiemann面。

12/06

パラメタ付の(有理関数体上の)多項式によるGalois群の構成。 C(t)上のGalois拡大の幾何的構成。基本群・被覆変換。被覆のGalois理論。

12/13

配ったプリント [page 1,2(pdf,41KB) ]

C(t)上から\overline{Q}(t)上およびQ(t)上への降下 (Weil降下・Galois剛性のお話だけ)。 Q(t)上からQ上へ。Hilbertの既約性定理。

12/20

パラメタ付き多項式の具体的構成。 例: 3次のC_3多項式・4次のD_4多項式・5次のD_5多項式(実演)。

1/10

臨時休業日につき、本授業なし

1/17

配ったプリント [page 3(pdf,28KB) ]

生成的多項式。正規底定理。Kummer拡大。

1/24(予定)

期末レポート提出。

生成的多項式。Noether問題とその応用。 変数消去の方法(Groebner基底・広中-Buchbergerのalgorithm)。

期末試験は行なわない。 期末レポートを提出すること。